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「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

映画「GODZILLA」(IMAX3D字幕)感想(ネタバレ)

監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン、フランク・ダラボン、デヴィッド・キャラハム他
原案:デヴィッド・キャラハム
音楽:アレクサンドル・デスプラ
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 1999年、芹沢博士(渡辺謙)はフィリピンで巨大な化石を発見する。その中には生物の卵らしきものがあった。さらに、何かが海へ這い出た跡もあった。一方、日本の原子力発電所で一定パターンの振動が発生していた。振動は大きくなり、突如として原発は崩壊した。それから15年後、フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、立ち入り禁止となった原発を調査していた父ジョー(ブライアン・クランストン)が逮捕されたために迎えに行った。
 解放されたジョーは再び原発周辺に侵入した。フォードも同行する羽目になったが、そこで見たものは異常どころの騒ぎではなかった。
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 いいよ、このゴジラ! 皆さんもぜひ劇場でご覧ください。できればIMAXでご覧ください。
 4DXで上映があるに違いない! そう信じていた時期もありました。名古屋の4DXで鑑賞してついでにIMAXでも鑑賞する予定でした。はるか彼方の名古屋まで1泊2日の旅程を組んで往復の切符や宿を手配していたのですが、4DXでの上映予定がないとわかったときは信じられなかったです。
 結局、一番近いIMAXまで3時間ほどの日帰り鑑賞をしてきました。
 GODZILLA公開に向けて、1954年版ゴジラがデジタルリマスターとなって再び映画館で上映となったのでそれも行ってきましたし、NHKBSでちらほらやってるゴジラを観てみたり、とてつもなく期待度を高めていました。
 こんなに期待してしまうと、観たときがっかりするかもしれないという危機感もありました。しかし、そんなものは杞憂でした。
 VS物だったのですね。鑑賞の数時間前にそのことを知りました。これまでの東宝ゴジラモスラキングギドラを使い回ししすぎました。ラドンも出演しすぎです。
 毎回新しい怪獣を出さなければならないのですが、それらにも不満があります。スペースゴジラなんてただの宇宙ゴジラだし、ミレニアン→オルガなんてゴミですわ。その中ではガイガンビオランテヘドラは良かったです。
 今回のゴジラの相手はMUTOというやつです。フィリピンで卵が発見されたときはそいつが孵化するのだろうけど、いったいどんな姿になるのか、ドキドキでした。
 カマキリみたいなやつですな。すらりと長い手足が6本あるけど、中の2本は退化しつつあるようです。オスとメスの2体が出てきましたが、オスのほうにはカマキリみたいな翼があって、メスはありません。前足や目など体の一部が赤く光っています。オリジナルのデザインとしてすばらしいと思いました。凶悪な面構えですし。電磁パルスを発生させていてMUTOが近づくと電気を使っている製品がすべてダメになるのも良い設定です。見た目はカマキラスの真似かな?
 オスのMUTOが原発跡地で誕生します。MUTOは放射性物質を栄養源にしている生命体です。フィリピンで生まれたMUTOはまず日本の原発の存在を察知して核燃料を奪いにやってきたのでした。吸収しつくして、成虫へと変わり、移動開始です。途中のハワイ諸島でロシア原潜を発見して吸収したあと、ホノルルでゴジラと出会ってしまいました。
 ホノルルを破壊しつつゴジラから逃れたMUTOはカリフォルニアへ。さらにはMUTOのメスが存在していることもわかりました。ネバダに隔離していたメスが覚醒してラスベガスを破壊しつつ、カリフォルニアへ。
 それにしてもホノルルといいラスベガスといい、映画の制作陣はリゾート地に何か恨みでもあるのでしょうか。
 サンフランシスコでMUTO2体とゴジラが集合することになりました。
 これらの都市破壊や怪獣どうしの戦闘はすばらしいの一言です。人間の目線から崩れる高層ビルや怪獣を見ているので、鳥肌が立ちます。IMAXの効果も手伝っているかもしれません。
 ゴジラとMUTOがサンフランシスコでがっぷり四つになったときはちょっと笑ってしまいました。相撲を意識したとしか思えないです。
 ド迫力としか言いようがありません。あえて「ド迫力」と言います。言葉が思いつかねえ。
 では、肝心のゴジラのデザインはどうだったのかというと、良いですよ。予告でその姿を披露してしまっていますけどね。
 日本の歴代ゴジラに比べると少々太めです。2004年ファイナルウォーズ以来の出演だから、だいぶ太ってしまったのでしょうね。MUTOと格闘しているときは無駄についてしまった肉がぶるんぶるんと揺れています。
 顔は、下のあごがしっかりとしていて、日本の薄いあごのゴジラには似ていないと思います。どちらかというと、98年のジラに似ていると思います。小さな目も98年ジラっぽいです。顔がいまいちかなあ。
 では、今作のあまりよろしくない点はというと、反核のテーマが中途半端です。1954年ゴジラではゴジラそのものが核の申し子でした。ところが今回はそうではないですな。1954年ビキニ環礁での核実験は実はゴジラを殺すための攻撃だったのです。
 あの核実験でゴジラが目覚めたわけではなかったのです。
 しかも、今作ではMUTOが核の申し子になっていて、ゴジラはMUTOという地球環境に最悪のダメージを与えかねない怪獣を倒す正義のヒーローなんですよ。ゴジラ対ヘドラみたいな感じになっています。
 MUTOに汚い仕事をやらせて、ゴジラなんて、サンフランシスコから去るときに指笛を吹かれたりして喝采を浴びていましたからね。そうじゃないだろ、と。
 第5作「三大怪獣 地球最大の決戦」以降の子供たちのヒーローみたいなゴジラではないですか。
 ゴジラ誕生60周年という節目で、本気のリメイク(制作陣はリブートと言っている)をするのなら1954年と同じように恐怖の象徴として描くべきだったと思います。なので、MUTOは良い新型怪獣だったけど、できればゴジラ単独の映画にするべきではなかったでしょうか。
 あくまで1960年以降のゴジラをやりたかったというのであれば話は別なのですが。
 しかも、今作の反核のメッセージが残念な結果に終わるんですよ。人類側は核を使ってゴジラとMUTOまとめて葬ろうとする作戦を実行しました。渡辺謙演じる芹沢は、核攻撃に効果なしと訴えて、しかも彼の父が広島の原爆で亡くなっているという話までしたんですよ。
 結局、核攻撃の作戦は失敗に終わります。芹沢の説得で作戦中止になったのではなく作戦続行不可能に陥っただけなのです。ところが、核爆弾のカウントが始まっているからそれを止めなければならない。主人公フォードは爆弾処理のプロだから当然爆発を止めるだろう。止めるために奮闘した!
 ところが、フォード負傷のため処理できないまま核爆弾は爆発するんです。フォードが核爆弾から離れた瞬間に私は心の中で「止めんのかーい!」と叫びました。いったい何だったんでしょう、この作戦は。
 これまでのアメリカ映画は核爆弾を爆発させようと思って使用してきたわけですが、今回は止めようとして止められなかったという結果です。少しは成長したのではないですかね。
 ゴジラの放射熱線砲は「よっ! やってくれました!」という感じです。ただし、3発(たぶん3発)放って最後の止めの1発が笑いました。MUTOメスの口をこじ開けて体の中へ無理やり流し込むという。
 あれ? MUTOは散々核兵器などの放射性物質を食べてきたのにゴジラの放射熱線砲は食べきれなかったのですね……今気づきました。
 今作の反核のメッセージですが、やはりアメリカ映画では核兵器を出すなら爆発の場面を描かなければならないという強迫観念が働いたのかもしれませんね。やっぱりアメリカ映画に反核を期待するのは無理なのでしょうかね。
 あとは芹沢ですが、1954年ゴジラと同じ芹沢という名前でありながら結局何もせずに終わりました。ひどくないですか。
 フォードだって、爆弾処理できずに終わっているし、メスが新たに生んだ卵を焼き殺したのはグッジョブですけど。
 人類が何もできずに終わるのは、人類なんてそんなもんですよという今作のメッセージなのでしょうか。
 ゴジラを追跡した米軍空母の名前がサラトガなのは何か意味があるのでしょうか。実際のサラトガは56年就役、94年除籍となっています。サンフランシスコ湾入り口に米海軍の巡洋艦駆逐艦がひしめきあっていたのはテンション上がりました。最新鋭のズムウォルト級駆逐艦が登場したのもテンション上がります。
 劇中に日本が出てくるとそのたびに激怒する私です。だいたい日本の描写がおかしいですからね。でも、今回は日本の描写はそんなにおかしくなかったと思います。家屋がアレだったのは、住んでいるのがフォードたちということでしかたないとしましょう。
 あとは、富士山周辺の地理がおかしいです。それも、制作陣が適当に改変してしまったということであきらめます。どうせ、日本人でも富士山周辺の地理を知らない奴もいるだろうし。
 最後に、ゴジラの主題曲を流してくれなかったです。劇中で流れなかったから、エンドロールで期待したけど流れなかったです。東宝だって協力してるのに、どうして流してくれないんだよお!
 というわけで、文句はたくさん言いましたけど、良い映画です。ぜひ劇場でご覧ください。できればIMAXでご覧ください。どうか4DXで上映してください。お願いします。
 ゴジラ続編が予定されているようですね。未確認情報ですが、監督はギャレス・エドワーズラドンモスラキングギドラが登場するとのことです。もし本当ならまたまた楽しみです。反核はとりあえず置いておくしかないですな。