やくもとうずしおをがっつりと

「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

映画「とら男」鑑賞感想

ポスター画像

2022年8月公開

監督、脚本:村山和也

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あらすじ:1992年10月1日、石川県金沢市でスイミングクラブのコーチをしていた女性が何者かに殺害された。石川県警の刑事である西村虎男は捜査を続けたものの、2007年に時効を迎えて未解決事件となった。その後警察を退職していた西村虎男は、東京の大学からメタセコイアという植物の調査のためにやってきた大学生かや子と偶然出会う。虎男と事件に興味を持ったかや子は事件を再捜査するために行動を起こすのだったが、果たして。

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 全国未解決事件ファンの皆様ならよくご存じの金沢女性スイミングコーチ殺人事件がこの映画の題材となっています。何がすごいって、西村虎男さんは実在する刑事であり、この事件を担当していて、しかも今作で本人役として出演していることです。

 西村虎男さんは電子書籍『千穂ちゃん、ごめん!』を書いています。その書籍を読んだ村山監督が製作を決めたということです。ちなみに、この書籍においては当時の県警の体制への批判が中心であり、事件の真相に迫る内容は含まれていないとのことです。

 ドキュメンタリーではなく、あくまでフィクションなのですが、なかなかきわどいことをやっているなあという印象です。なぜなら、遺族やスイミングクラブにもかや子が聞き込みをやっていて、目撃者を探し出そうとしているうちに、なんと、まさかの真犯人にたどりついてしまうからです。

 もちろん、真犯人はフィクションとしての真犯人ですよ。一方で西村元刑事の捜査に基づく内容でもあります。

 関係者から訴えられたりしないかなと不安になる内容でした。

 陰キャのかや子が成長していく物語でもありますが……この事件の真相はこういうことだったのかと未解決事件ファンなりに納得していいんでしょうか。

 それにしても、未解決事件が未解決事件になってしまう経緯は何でしょう。youtubeでは未解決事件を追うチャンネルがいくつかありまして、そのうちのひとつのチャンネルである「だてレビ」さんを観ていてわかったことがあります。警察が散々捜査してもわからないものは我々外部の者にわかるわけないということです。ただ、一方で未解決事件には警察の捜査の不備もあった可能性も高いわけで、西村元刑事は県警の体制を批判しています。当時の石川県警にはDNA捜査をする設備がなかったために凶器となったオーバーオールを調べることができなかったのですが、よその県警ではすでにDNA捜査を取り入れていました。もし、県警どうしの壁を超えて捜査協力があれば逮捕につながった可能性もあります。

 現場の状況と数々の証拠があった事件なので解決できそうなものでしたが、未解決になってしまい本当に残念です。