やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「アーチ&シパック ‐世界ウンコ大戦争‐」を観てきた感想


あらすじ:既存のエネルギーが枯渇した近未来都市。ここでは人間のウンコが貴重なエネルギー源として活用されていた為に排便は政府の管理の下で行なわれていた。そうした中、政府が下剤として市民に支給していたアイスキャンディーの中毒と副作用で身体が青く変化して体型が縮小、さらに排便機能・生殖機能を喪失する人々が現れるようになった。彼らは頭に風呂敷をするようになったことから「フロシキ」と呼ばれるようになり、「能無し」として都市から追い出された彼らはギャングとなって都市を襲い、アイスキャンディーを強奪する事件を起こすようになった。これに対抗して政府は「ゲッコー」というサイボーグを生み出し彼らと抗争を繰り返すようになった。こうした中、アイスキャンディー強盗で生計を立てていたチンピラのアーチとシパックの2人組はイプニという女と出会う。彼女はフロシキたちによって肛門に特殊なチップを大量に埋め込まれた。このチップは政府が市民の排便を管理するためにすべての市民に埋め込んでいる。フロシキはチップを集めてイプニにぶちこんだ。アーチとシパックはフロシキからイプニを救った。2人は大量のチップによって一度の排便で大量のアイスキャンディーを得られるようになった彼女の恩恵を受け大金を得るようになった。イプニの存在は政府のチップ管理網に引っ掛かり、イプニたち3人は政府から追われる。さらに、フロシキもイプニを取り戻すために行動を起こした。

 この映画の存在を知ったときは、いったいどれくらいウンコなのか気になってしかたがなかったです。私の注目度としては今年前半で最高でした。それで、どれくらいウンコだったのかというと、それほどウンコではなかったです。むしろ、アイスキャンディーでした。日本国内でのこの作品の売り文句にはウソがあるということです。
 あくまでアイスキャンディーがテーマです。まるで麻薬のように扱われているアイスキャンディーの奪い合いです。
 作中ではテレビCMが排便を促す下剤とかばっかりだったり、『気持ちよく排便したい人に贈る新商品』のCMばかりです。CMでは便器に座ってブリブリしている人たちが出ています。ウンコはそれくらいです。ウンコそのものが大画面に展開されることはありませんでした。
 アクションが面白いです。
 サイボーグのゲッコーがフロシキを大量虐殺していく描写を注目すべきです。もしかしたらゲッコーが主人公なんじゃないか、というくらいです。ゲッコーのアクションがかっこいいのです。ガンカタぽいです。
 フロシキは突然変異とはいえ、人間です。ただ、人間として扱われていません。その描写は、はっきり言って笑えます。かわいそうだけど、面白いです。
 あとは、映画監督を夢見るジミーですな。彼は頭がイッちゃってるのでアーチとシパックの二人によっていいように利用されます。その際、ジミーは脳内で映画「エイリアン」「スーパーマン」「ミザリー」などが展開されます。それがだいぶ面白いです。自分がそれらの映画の主人公だと思い込まされて、ミザリーみたいにワープロ(近未来なのにワープロ)で暴力団のボスの足をガンガン殴ったり。
 物語そのものは、女性を助けるために奔走する二人の男と、政府とゲッコーと、フロシキギャングの三つ巴という単純なものです。頭をからっぽにして楽しめる作品でした。
 あとは、ミッキーマウスっぽいキャラが出てきたり。けんかを堂々と売っています。その根性に拍手をしましょう。
 この映画はアニメなのですが、作画については、まあまあ良いんじゃないでしょうか。韓国製アニメ映画なんですけど、韓国アニメといえばものすごく低レベルというイメージがありますし、実際にものすごく低レベルの韓国アニメをいくつかことがありますけど、それらに比べるとかなり良いです。ゲッコーもよく動いていましたし。だけど、声優が下手だと思います。日本語ではないのでどのくらい下手なのかまではわかりませんが、おそらくこれは下手だと思います。
 汚い映画ではありません。ただ、残虐な描写がひたすら展開されるので、注意が必要です。そういうのが大丈夫な方は是非どうぞ。