2019年10月日本公開
監督:オットー・バサースト
脚本:ベン・チャンドラー、デビッド・ジェームズ・ケリー
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あらすじ:十字軍に徴兵されたロビンは行き過ぎた上司に対する反逆行為によりイングランドへ戻ることになった。もともと領主だったロビンの治めていたノッティンガムは州長官に没収されていた。その長官は十字軍支援と称して重税を課していたが、もはや税金を通り越して財産没収といえるほどの暴虐となっていた。ロビンは遠征していた先で出会ったジョンと協力して州長官から領地と住民を救うため行動を起こす。
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十字軍ですか。そんなに昔の話なんですか、ロビンフッドは。それもそうですね。まだ銃のない時代ですもんね。ロビンが参加した十字軍は第3回だそうです。十字軍ってやつはめちゃくちゃ何回もやってまして、そりゃあもう終盤になると略奪行為も流行っていたようですし、十字軍を招集した教皇の権威が堕ちていくきっかけになったやつらしいですよ。
第3回十字軍ということで、1189年から1192年の間だそうです。鎌倉幕府ができたころですね。その十字軍では、上官が捕らえた敵兵をひどい方法で次から次へと処刑していたものですから、ロビンは頭にカチンときたようです。その上官に反逆行為をしてしまって、イングランドに戻ることになりました。ところが、ロビンのノッティンガムは州長官による重税でめちゃくちゃです。ロビンの屋敷も荒廃しています。そしたら、そのノッティンガムでロビンは出会うわけですよ。処刑されそうになっていたところをロビンが助けたアラビアの兵士とばったりノッティンガムで。そしたら、そのアラビア兵士と協力して、ロビンは頭巾をかぶり、ロビンフッドになって州長官からお金を盗むようになるわけです。一方で、ロビンは領主として州長官に近づき、仲良くなっていくわけです。
ここまでで、いろいろなんで?となるところがありました。まず、アラビア兵士はなぜノッティンガムに来たんですかという話です。次に、ロビンが頭巾をかぶったのはいいとして、領主の地位をはく奪されて領地もなくしたロビンがなぜ州長官に近づくことができたんですかという話です。ロビンは州長官に多額の寄付金を差し上げました。その金はどこから持ってきたんですか、財産はすべて失ったロビンに支払う能力はないはずなのに、そこに疑問をまったく持たずに寄付金を嬉しがって受け取った州長官はアホですか。この州長官はてっきりそういう疑問を内心で感じていて怪しいなあと思いながらロビンと仲良くなった、そのあとロビンの正体を探る、、、という流れにならないんですよー。州長官はロビンを疑いませんでした。
一事が万事これですから。
顔を大勢に見られているはずのアラビア兵士さんもそうです。領主として州長官と会っているときにアラビアさんもいっしょにいたのですが、ロビンフッドのときにアラビアさんは顔出しの状態で同行しています。気づけよー、州長官の衛兵さんとかその他諸々の皆さんはそこで気づけよー。「あれ? このアラビア人、領主のロビンといっしょにおる人とちゃいますか?」って思うはずでしょう。思わないんだな、これが。
ずっとこんな感じですし。
それに、舞台の鉱山もまるで現代の廃工場ですよ。鉄筋コンクリートの太い柱に支えられた近代的な工場の中でアクションが繰り広げられますよ。
タロンエガートンだからって何でもええよというふうにはいきません。