やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「舞妓はレディ」感想

2014年9月公開
監督、脚本:周防正行
音楽:周防義和
・・・
 京都の花街「下八軒」に少女春子(上白石萌音)がやってきた。舞妓志望だという。しかし、どこの馬の骨とも知れない者を舞妓にするわけにはいかない。また、春子の鹿児島弁と津軽弁が混ざった強烈ななまりも災いしている。ところが、その場に居合わせた言語学教授(長谷川博巳)が春子を舞妓にすることを突然決意した。
・・・
 春子が舞妓になるために成長していく過程が今の私自身と重なっていました。そのためまともに鑑賞できていません。何においても挨拶が必要だとか、舞妓として身に付ける芸が多いとか、声に出して返事せずに頷いたり頭を振ってしまうあたりが今の仕事での私そのものでした。
 そんな状況での鑑賞なので、感動せずにはいられませんでした。
 教えてくれる人が多い、声をかけてくれる人がいる、そういうあたりも今の私と似ているなあ、と。
 誰が何と言おうと良い作品です。
 ただ、ミュージカルとしてはどうでしょう。これまで「雨に唄えば」や「サウンドオブミュージック」くらいしか観たことがありませんが、それらに比べるとミュージカルの部分が圧倒的に弱いと思うのですよ。
 ミュージカルと、そうではない部分の差がいまいちわかりづらいようにも感じられます。
 ミュージカル映画ということで、そのあたりがだいぶ不安でしたが、その不安が当たりました。
 とはいえ、そのミュージカルのパートから春子の成長が見えているのは良かったです。最初のうちミュージカルパートではそんなに踊れていなかったのに、だんだんうまくなっているではありませんか。そういうところは丁寧です。
 教授は悪い人ですなあ。賭けに勝ちたいがために春子を舞妓にしようとしている、自分の研究対象でしかない、鹿児島出身だとウソをついた、春子を舞妓にすると決意した割に京ことばの訓練以外何もしていない、というわけで、教授に対する印象が悪いです。
 あと、京都のことが嫌いになったかな。京都の印象が悪くなりました。ヨソ者に対する態度や、この作品の世界は所詮低所得者には関わりないということです。
 ただ、あくまでこの映画はフィクションであり、本当の京都はわからないのであり、そうだ、京都へ行こう。