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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「顔のないスパイ」を観てきた感想(ネタバレ)


あらすじ:メキシコとアメリカの国境。国境警備員を殺害し、アメリカに渡ろうとする一団がいた。その6ケ月後、ワシントンで、ロシアと密接な関係を持つダーデン上院議員が暗殺された。その手口から浮かび上がったのは、死んだはずのソビエトの伝説のスパイ“カシウス”の痕跡だった。CIA長官ハイランド(マーティン・シーン)は、カシウスをリーダーとする暗殺集団“カシウス7”の追跡にキャリアを捧げ、今は引退した元エージェントのポール・シェファーソン(リチャード・ギア)を呼び戻し、議員を内偵していたFBIの若手捜査官ベン・ギアリー(トファー・グレイス)と共に事件解決にあたらせる。ポールは、すでにカシウスは死亡、議員殺害も模倣犯によるものと考えていたが、渋々捜査に協力した。一方、カシウスに魅せられ、大学で彼についての修士論文も書いているベンは、カシウスが殺しを復活させたと確信する。そんな中、2人はかつてポールが射殺したはずの“カシウス7”の一人、ブルータス(スティーヴン・モイヤー)がまだ獄中で生きていることを知る。ポールは、カシウスの死を証明するため、ベンを連れ刑務所へ赴くが、ブルータスから、暗殺者の掟を破ったため、カシウスにはある“罰”が下されたことを聞かされる。そして2人が帰った直後、情報と引き換えに入手したラジオの電池を飲み込み病院へ運ばれたブルータスは、見事脱走に成功した。だがカシウスを名乗るポールに捕まり惨殺される。その殺害方法はカシウスと同じものだ。カシウスの手は、ベンにも伸びていた。家族のいないポールは、自分と違い守るべき者がいるベンに捜査から外れるよう命じるが、カシウス逮捕にこだわるベンは全く聞く耳を持たない。そんな中、半年前の国境警備員殺害事件の際に奪われた車が発見される。監視カメラに映っていたのは、元特殊部隊(スペツナズ)でKGBのボズロスキー(テイマー・ハッサン)の姿だった。彼とカシウスが同じ時期に表舞台から姿を消し、20年後に再び出現したことから、本部ではカシウス=ボズロスキーの線で捜査が進められていく。しかしベンは、過去の事件の検証から、カシウスの真の正体がポールであることに気づく。一方、ポールも自分の家族を殺された復讐を果たすため、ボズロスキーの元へ向かった。

 予告で既にポールがカシウスであることは判明しています。ということは、それをひっくり返すような展開があるはずです。それはベンがロシア生まれのロシア人であり米国内のロシア側スパイを手引きするスパイだったというものでした。
 ベンは、カシウスの正体を追うとともにカシウスの身を守るために捜査状況を流していたのです。ポールはそのことを知りませんでした。
 感想としては、いまいち面白くなかったです。
 話の流れは良く、無駄な場面もなくトントン拍子で進むので観やすいのですが。音楽とテンポの良さがあるものの、それ以外がダメです。こちらの期待を良い意味で裏切ってくれる展開は待っていませんでした。
 たしかに、ベンがなぜロシア語堪能なのかというと前半では「学習したから」でしたが、実はロシア人だったという真実は、伏線の張り方が良かったですけど。ベンは米国で本物の家族まで作って身元がバレないようにしていた、しかし、家族に情が移っているので揺れ動いているという伏線もあります。こういう伏線もよくよく考えたら無理があるでしょう。ベンとポールの動きが不自然です。
 でも、その伏線が感動を呼んだかというと、別にそんなことはなかったわけで。最後、ポールは死にますが彼がカシウスであることを知られないようにボズロスキーをカシウスに仕立て上げるのも、だからどうしたのかなという感じで私の中では終わってしまいます。
 リチャードギアも年齢を重ねたためか、走るときの足が重そうに見えました。スパイを引退しましょう。