2013年7月公開。ピクサー。ダン・スキャンロン監督。
2001年公開のモンスターズ・インクの前日譚となる。学生時代のマイクとサリーがどのようにして出会い、どのようにしてモンスターズ・インクで活躍するに至ったかをモンスターズ大学怖がらせ学部での2人を中心に描く。
日本語吹替は前作同様に石塚英彦(サリバン)と田中裕二(マイク)が担当。
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私が前作のモンスターズ・インクを鑑賞したのは去年2012年でした。それまでずっと観ていなかったのです。その直後に偶然モンスターズ・ユニバーシティ公開が発表されました。
そのため、けっこうモンスターズ・インクの記憶が新しい状態でユニバーシティを観ることとなりました。
だいたいどの個人ブログやSNSでも高い評価を受けているようですね。私の場合は、ううん、ちょっとなあ。どうしてだろう、楽しめませんでした。ちなみにモンスターズ・インクのほうはすばらしいと思います。
1点だけ引っかかった部分があります。
モンスターズ・インクのとき人間の子供を怖がらせるよりも笑わせたほうがエネルギーが多く手に入るという結果でした。
それを今作のユニバーシティでは触れるのだろうかと思っていたわけですが、いっさい触れなかったです。
モンスターズ・インクで怖がらせることに意味がないと結論を出してしまっているのに、マイクとサリバンは怖がらせるためにものすごく努力をするわけです。特にマイクの努力が凄まじいです。
でも、彼らの勉強に意味がないことを知っているのだから、観ていて虚しかったのです。怖がらせ学部からの追放という大ピンチを経て、その上での努力をしていた2人がなんだかかわいそうでした。
怖がらせがまったくの無意味ではなかったですよ。怖がらせることでもエネルギーは手に入りますし。
それに、マイクとサリバンは人間の世界に閉じ込められるピンチも怖がらせることでモンスターズの世界へ戻ることができました。ただ、そのために努力をしてきたわけではありません。
大学内での行動が何もかも虚しく思えてしまって、映画を楽しむことができませんでした。人間を笑わせる伏線や人間の子供に触っても大丈夫だということを匂わせる何かがほしかったです。
あと、モンスターズ・ユニバーシティの予告でマイクがミラーボールにされてしまい天井で回転させられてその下でサリバンが「大学最高」という場面がありませんでした。ちょっと残念です。
マイクの努力とサリバンの成長に注目すべき作品なのに、そこに集中できなかった私の敗北だと思います。
ところで、トカゲみたいな、透明になれるランディというキャラはスティーブ・ブシェミが声を担当しているのですね。吹替で鑑賞したからあまり意味のない情報になってしまいますが、ランディのキャラを考えたらちょうどいい配役だと思います。
でも、そのランディがマイクとサリバンに闘争心を燃やすきっかけが弱くないですか。インクのランディとユニバーシティのランディが全然違いますね。ランディの変化が少し残念です。ユニバーシティのランディは実はいいヤツだったのですから。何かの拍子で悪いヤツになってしまうのは悲しいですよ。
最後に3Dで観る必要はありませんでした。3D効果を感じられる場面がなかったです。
そうそう、ユニバーシティの前に上映された短編アニメの『ブルー・アンブレラ』がすっごいですよ。もはやアニメじゃないです。実写。それに、いいキャラばかりが出てくるものですから、心温まりますよ。応援したくなる傘でした。
ピクサーの次作は『プレーンズ』でしょうか。カーズの飛行機バージョンですが、カーズとは違う世界のようですね。(197)