やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の感想

 本当だったら今年4月公開だったはずの映画ですよね。地震のせいで、大勢の被災者を生みだした憎い地震のせいで、この映画まで公開延期ですよ。さて、その公開延期された理由ですが、もしかしたら映画冒頭すぐに原因があるのではないかなと思います。だって、エイリアンがアメリカ合衆国西海岸を攻撃しはじめたのが14時46分なのですから。これさえなければ公開延期にならなかった気がしますけど、どうでしょう。海岸に落下した物体が津波を起こして人々が巻き込まれていましたけど。公開延期の経緯については、地震のせいというよりも被災者のためになるようでならない自粛のせいだと思いますけどね。
 2月あたりから映画館では世界侵略の予告がガンガン流れていました。映画館には何度も足を運んでいたので予告をバンバン見ました。かなりテンションが上がっていましたよ。ところが、地震が発生して公開延期と来たもんだ。延期のせいでものすごく期待しました。期待というか、待ちに待った、待ってました!という感じです。
 あらすじは簡単です。突如流星群が世界の大都市に飛来、それはエイリアンの攻撃だった。世界中の都市が崩壊する中でロサンゼルスでは米軍海兵隊の一部隊が救いを求める民間人を救出しようとする、というものです。
 さて、これまで地球は多くのエイリアンによる侵略を受けてきました。映画で有名なのは1953年の「宇宙戦争」でしょう。火星人が襲来しましたが、地球は勝利しましたね。ほかにも「インデペンデンス・デイ」「マーズアタック!」とかありますけど、地球側の勝利です。
 侵略目的で地球に来るエイリアン、どいつもこいつも詰めが甘いですな。何をやっているんですか。今回の世界侵略も地球側の勝利に終わります。ちょっと、エイリアンどもに講義をしてやらんといかんでしょう。宇宙戦争のエイリアンは予防接種をしておきなさい。インデペンデンスデイのエイリアンはアンチウイルスソフトを入れておきなさい。マーズアタックのエイリアンは耳栓をしておきなさい。簡単でしょう? それだけでいいんですよ。はるか彼方の地球まで来る技術を持っているのに、こんな簡単なこともできないなんて、自分たちの科学力を過信して胡坐をかいていますね。
(以下、ネタバレが含まれますので注意してください。)
 さあ、今回のエイリアンですが、おまえらはそもそも弱い! そんな装備で地球に来るなんてよほど已むに已まれぬ理由があったのでしょう。流星群を装って地球の有名な大都市をピンポイントで狙ったのは良かったです。地球のことを調べていたんですね、そこは評価しましょう。そのあとの統制の取れた軍隊の展開も良かったと思いますよ。でも、司令部の置き方がまずかったですな。そこが改善点です。あなた方の身体には急所があって、持ってきた兵器も地球側の通常攻撃が通用しています。そこはしかたない! インデペンデンスデイみたいなバリアとか開発できなかったのですから。それならなおさらもっと良いやり方があったでしょうに。司令部が破壊されると末端がすべて止まるなんて、ダメダメですよ。司令部がやられても末端が独自の行動を取れるような機能を持たせるとか、司令部を人類から攻撃されるようなところに置かないようにするとか、できることがあったんじゃないですか。予告によると、エイリアンは1942年以降何度も地球に来ていたようですが、それだけ準備期間があったならもっと装備を充実させるなり、できることが本当にたくさんあったと思いますけど。あんまりエイリアンを責めるとかわいそうだから、これくらいでやめておきます。地球に来た理由は、作中で少し出てきますけどねえ。破壊されたエイリアンの兵器から宇宙だと貴重な地球だと豊富にあるアレが出ていましたし。そうか、やっぱりそれがほしかったのか、少しくらいなら分けてあげてもいいかな。
 さて、ロサンゼルスでがんばった海兵隊の一部隊、おまえらも頭悪いなあ! 筋肉バカですね。気合と無謀な行動で危機を乗り越えていくなんて。ていうか、強運に守られていましたね。基地へ戻るとき一般道がだめだから高速道路を走っていこうとしますけど、ロサンゼルスの高速道路は高架橋ばかりでどうせ破壊されて途切れているだろうと思いきや案の定です。一般道で行けばいいのに。指揮官が頭悪いですよ。
 あとは何かな、カメラかな。ハンディカメラで撮ったような手ぶれの激しい画は観づらかったです。
 6月に公開された「スカイライン-征服-」も私は見ました。世界侵略との共通点がありまして、VFXを担当した製作会社が同じなんですね。どちらもエイリアンによる侵略なのですが、そっくりな場面がちらほらありました。映画の結末は真逆ですがね。
 でも、まあ、かわいそうなエイリアンと能無し海兵隊の壮絶な戦闘シーンはまさに迫力満点です。手に汗握るとはこのことですな。ブラックホークダウンみたいなただの戦争映画にも見えますが。もうちょっとエイリアンに特色がほしかったですなあ。人類を圧倒する科学力を見せ付ける場面があっても良かっただろうし、そうすれば海兵隊も頭使って動くようになるだろうし、映画の改善点はあると思いますが、見ていて少しは面白い映画ではありますよ。主人公である二等軍曹に注目していたら良いんじゃないかな。素直な心で観たら良いんじゃないかな。