やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「モールス」を観てきた

 徳島ではやっていないので、兵庫で見てきました。どういう映画なのか、内容を知らずに行きました。なんとなく、ファンタジーかホラーかなくらいの感覚です。「ぼくのエリーは200歳」のリメイクということは知っていましたが、「ぼくエリ」がどういう内容の映画なのかまったく知りません。
 ファンタジーかホラーぽい映画のはずですが、観客のほとんどが年配、おじいちゃんおばあちゃんでしたので少々驚きました。部屋を間違えたのかなと思いました。
 少年と少女の出会いが描かれる映画ですが、少女役は「キックアス」で一躍有名になったクロエ・グレース・モレッツです。
 映画が始まってすぐ、耳障りの悪い女性の高音のような「アー」が続いて、この映画はホラーだな!と身構えました。どこまでネタバレしていいのか迷うところですが、これだけは言っておきます。ヴァンパイア映画です。残酷なシーンもあるので見に行こうと考えている方はご注意ください。
 舞台はニューメキシコ州ロスアラモス。ということは、もしかして原爆とか合衆国政府の陰謀とかかかわってくるのかなと思いきや全然そんなことはなかったです。
 基本的にボーイミーツガールということでいいんじゃないでしょうか。少女と出会うことで、いじめられっこの男の子が成長していくのが主な流れとなりますが、成長というよりも恐るべき運命に従うことになってしまう、少年の悲劇の始まりでもあると思います。少年自身はそれを悲劇とは思っていないかもしれませんが。少女にはもともと年配の男性が付き添っているのですが、少年もいずれその男性のように、少女に付き添う結果になるだろうと思われるものの、どこでその運命に乗るのかがなかなか見えてこないです。結果的に、ああ、なるほどなという感じでした。
 その運命に乗る前、映画のクライマックスで少年がいじめられっこからどうしようもない危機的状況に追い詰められますが、そこに助けが入ります。まあ、その助けがなぜ入ったのかがわかりませんのでそこは残念です。
 少年は、学校でいじめを受けていて、家庭でもどうやら母親に問題があるようです。父親がその母親をどうにかしようとしていて、少年が父親に一度助言を求める場面もありますが、家庭内の問題については、散漫に感じられました。
 脚本とかそういうやつは、伏線が生きていたりするものの、邦題の「モールス」がやや物足りないです。少年と少女はアパートの隣どうしなので、壁をはさんでモールス信号でやりとりします。でも、タイトルにするほどの重要さはないですよ。ちなみに原題は「LET ME IN」で「中に入れて」という意味だそうです。原題の「中に入れて」のほうが重要ですよ。
 映像の見せ方については、強靭で驚異的な身体能力を見せ付けるヴァンパイアの部分がややしょぼいものの、新鮮に感じた場面がありました。それは、暴走する車が道路からはずれて転落していく場面です。暴走開始から最後まで車内からの一人称視点でして、車外で何が起きているのかを音で表し、車内では2人の男が激しく暴れるという状態が、たいへん面白かったです。
 以上、「モールス」でした。