2022年9月初演
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
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あらすじ:女海賊アンヌが大泥棒の五右衛門に助けられつつ女王として小国をまとめてから十数年、周辺の国々を巻き込んだ大きな騒動が起きつつあった。アンヌと五右衛門は再会して立ち上がる。
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前作から12年も経つのですね。劇団新感線の舞台が映画館で鑑賞できるゲキシネでございます。
というわけで、映画館でやっていたので観させていただきました。ゲキシネ鑑賞は今年神州無頼街以来の2度目です。神州無頼街のときは私以外の客がたったのひとりでしたが、本作では20人ほどいました。男単体は私を含めて3人、男女ペアが1組、それ以外はすべて女性です。私以外の観客は何を目当てに来ているのでしょうかね。気になりますね。劇団新感線の生の舞台も見たことがありますけどそのときも観客の多くは女性だったと思います。
前半の殺陣はなんだか鈍重でしたが、早乙女友貴が暴れはじめると殺陣がたいへん良くなりました。さすがに劇団員の皆さんがだいぶ年齢を重ねていらっしゃいますよね。
歌う場面が多すぎますけど物語は単純明快だからそれほど物語の理解を阻むものではありませんでした。歌いながら物語を進められると話運びが理解しずらくなるのでやめてほしいですけどね。とはいっても、本作では、あの冠さんがたくさん歌ってくれたのでありがたいことでございます。
早乙女が扮する王子は五右衛門の人形を持っているのですが、その人形が2度目の登場でとある役者のケツに刺さっていたんですよ。そのとき気づきましたね。人形のデザインがTENGAだということに。赤白のカラーです。気づいた瞬間声を出して笑ったのですが、私以外は誰も笑っていませんでした。TENGAごときで笑ったりしないのか、TENGAをご存じないのか、笑いをこらえていたのか、さてどれでしょうか。
早乙女王子の暴れる様子は、キレッキレの殺陣もありながらめちゃくちゃ笑わせてきます。
劇場内が最も笑っていたのは、生瀬勝久が演じている男爵のあいさつです。手をクルクルクルクルクルです。西欧の貴族がよくやっているあいさつですよ。そのあいさつに対して高田聖子が「はいはい面白い」と言った瞬間、場内で最高の笑いが起こりました。そこなのか! 私は手をクルクルクルクルクルのところで笑ったというのに! ちょっと皆さんと私の笑う瞬間がズレていました。
ということで、そろそろ轟天みたいなネタものを観たいなあと思いますので、ネタものの新作をお願いします。
ちなみに私が一番好きな新感線は松たか子版メタルマクベスです。私の初新感線はNHKBSで2000年もしくは2001年ごろに踊れいんど屋敷をやっていたのを偶然見たときです。