2022年11月日本公開
監督:バディム・パールマン
脚本:イリヤ・ゾフィン
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あらすじ:1942年の欧州、フランスでナチスに捕まったユダヤの男は親衛隊兵士の会話を耳にして咄嗟にペルシャ人だと偽った。収容所のコッホ大尉がペルシャ人を探しているというのだ。元調理師のコッホ大尉は終戦後にイランでレストランを開業したいという夢があり、ペルシャ語を話す人物を探していた。男は、ペルシャ人のジルだと名乗り、偽りのペルシャ語を生み出して大尉にペルシャ語を教えることになった。果たして、ジルは嘘のペルシャ語で生き残ることができるのか。
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生きるためならどんなことでもやっていくジルの執念に脱帽です。彼の造語が何をもとにして生み出されていくのか、その過程をぜひご覧ください。その造語がこの映画の結末で涙を誘います。
実話ではなく、小説や生存者の話をいろいろと集めたものが今作のアイディアにつながったようです。ジルのように、生き永らえるためにあらゆる手段を講じた人々が当時いたわけですね。
一方で、収容所で大勢の収容者を追い詰める極悪非道の親衛隊も本当はごく普通の人間でした。ヒトはいとも簡単に残酷なことをできるものです。