やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「シン・仮面ライダー」鑑賞感想

2023年3月公開

監督、脚本:庵野秀明

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あらすじ:人類の幸福を歪な形で達成しようとする謎の組織ショッカーから緑川博士と娘のルリ子が逃げ出した。さらにバッタオルグに改造された本郷猛という青年もいっしょだった。博士はクモオルグに殺害されるが、ルリ子と本郷は協力してショッカー壊滅を目指す。政府の中にもショッカー壊滅を目指す立花や滝がいた。彼らの支援を受けながらルリ子と本郷は戦うのだった。

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 シャザム!神々の怒りを見た直後、一切の間を置かずにシン・仮面ライダーを観ました。それがよくなかったのかもしれません。

 ルリ子と本郷は人々を守るという崇高なことを何度も口にするのですが、実際の行動がそんなふうには見えないのです。本作では市井がいっさい描かれません。それが最大の欠点です。原作の仮面ライダーも改造人間としての苦しみやショッカーという組織に対する個人的な恨みで活動していたように見えますが、そういうところまでしっかり再現してしまったようです。悪い意味で再現度が高いでしょう。本郷が骨折して一文字が覚醒する場面もそのまま再現してみせたということなのでしょう。

 アクションではやたらとカメラが動きます。そのせいで本郷と敵がどんな動きをしているのかよくわかりません。手足がどんな動きをして、その結果どうなっているのか、よく見えません。暗い場面も多くて見づらくなっています。顔や手のアップも多すぎます。冒頭の掴みはかなり良かったですけどね。ダンプと血みどろは良かったですよ。

 本郷のキャラもよくわからんやつです。造形も安っぽいのが受け付けません。説明をセリフだけでやりすぎです。セリフではなく映像で見せてほしいのですが。

 一文字隼人のキャラは良かったです。もともとのテレビでも2号ライダーが人気だったらしいですね。浜辺美波も良かったです。

 130分のシャザム!神々の怒り、121分のシン仮面ライダー、9分差とはいえ後者は製作費も含めていろいろと足りていません。

 日本の正義のヒーローはこういうもの……とか言われても困ります。1971年ならそれが通用したかもしれませんが、今は2023年です。

 もうちょっとなんとかならなかったのかなと思います。庵野監督の自慰行為にしか見えません。

 結末については、漫画と似た終わり方でした。

 仮面ライダーはもう終わったのかな、なんて思ったりしました。ブラックサンも好きじゃないし、テレビのほうはいまいちなシリーズが続いているし、キングオージャーは面白そうですけども。

 そもそもシン・ゴジラが良すぎたと思います。