やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

青ヶ島に行ってきました 5/5

 青ヶ島には「あおちゅう」と呼ばれている焼酎があります。青ヶ島酒造というメーカーが島にありまして、青ヶ島焼酎を作っています。あおがしま屋の女将があおちゅう工場見学を予約してくれましたので、工場へ行ってきました。

 私以外に見学者が3名いました。4名であおちゅうの説明を聞きました。焼酎はよくわからんけど、世界的に見てもかなり珍しいものだということはわかったつもりです。

 説明が終わると、あおちゅう20種類ほどを試飲です。小指の先ほどの雫を次から次へと飲んでいきます。中でも4種類くらいは、「これは違う」というのがわかりました。フルーティだったり、香りが豊かだったり。焼酎もなかなか面白いものですね。

↑説明と試飲が終わると特別に工場を見せてくれました。

↑壁の黒いシミは菌だそうです。

↑撮影に失敗です。ごめんなさい。

↑黒いほうが菌だそうです。

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↑焼酎は生きています。フツフツと息をしている焼酎の様子をご覧ください。以上、あおちゅう工場でした。

↑うおおお、島寿司だ。こいつがうまいんですよ。伊勢のてこね寿司っぽいです。あおちゅう工場の見学が終わって民宿あおがしま屋へ戻ってきたら夕食の島寿司です。

青ヶ島最後の夜、再び居酒屋へやってきました。なぜ「空腹を添えて」なのかというと、まあ、店主にちょっとした事故があったわけでして。

 元村長もいらっしゃっています。元村長も含めて地元の皆さんが競艇をやっていました。ご苦労様でございます。

 すると、居酒屋の厨房から「先ほどは」と声をかけられまして、誰なのかわかりませんでした。さっきまで焼酎工場をいっしょに見学していた女性でした。顔を覚えられなくてすみません。

 さらに、あとから入ってきた客にも声をかけられました。誰なのか全然わからなかったのですが、あおがしま屋でいっしょに泊まっている方だそうです。顔を覚えられなくてごめんなさい。

 さらにさらに、先日もこの居酒屋でお見かけした客が来ました。その方は島に来ている医者だそうです。こちらの先生もさっきまでいっしょに焼酎工場を見学していました。

 そして、もうひとり女性が入店してきました。あおがしま屋でいっしょに泊まっている方でして、仕事で千葉から来ているのだそうですが、しょっちゅう島に来ているようで、地元の方といろいろやりとりをしていました。この女性もさっきまでいっしょに焼酎工場を見学していました。

 この夜は、19時から23時まで皆さんといっしょに飲んでいました。

 観光野郎は私だけです。あとは仕事で来島している方と地元の方です。

 島の民宿を埋めている客のほとんどは仕事です。島の電柱や発電所や通信施設や道路などを整備に来ている方が多く、私に話しかけてきた男性も通信施設修繕のために来ているわけです。そして、医療関係者というわけですね。東京電力NTT東日本、あとは道路や水道修繕の建設会社ですね。普段の我々の市町村だったら朝に現場へ入って夕方には帰っていくのですが、青ヶ島の場合はそんなの無理ですからね。

 我々が普段使っているインフラの維持を、青ヶ島ではかなり身近に感じられます。

 このお店でいっしょに飲んでLINE交換しようと言った通信施設修繕のお兄さん、もしこの記事を読んでいたら、コメントください。LINE交換できてません。

 お医者様から、私の左足が蜂窩織炎に冒されていることを一瞬で見抜かれました。脳外科の先生なのになぜわかっちゃうかな。ちなみに、私はてっきり骨にヒビが入っているんじゃないかと考えていて、蜂窩織炎を疑っていませんでした。

 さて、初日の夜にこの居酒屋で飲んだ焼酎は何だったのか、ネタバラシしましょう。

↑こちらがその焼酎です。初垂れと書いてはなたれ。度数は60ですが、この高い度数は法的には販売できないものでして、青ヶ島村の居酒屋と民宿でしか提供できないことになっています。それを私は知らずに飲んじゃったわけです。道理でめちゃくちゃ死ぬほど濃かったわけです。工場見学のときにその存在を知りました。試飲もしました。

 ちなみに、工場のある村内でしか飲めない酒は、青ヶ島ともうひとつ、沖縄の与那国島にもあるそうです。酒好きはぜひ青ヶ島与那国島へ飛んでください。

 何時間も地元の方や他のお客さんといろいろお話をさせていただきまして、店主から全員追い出されました。たいへんごちそうさまでした。

↑翌朝。青ヶ島最後の朝。島だな、という感じの直し方ですね。

 さて、帰るとしますか。

 民宿からヘリポートまで歩いても10分かからないのですが、民宿の女将が車で送っていくよとおっしゃるのです。この島ではすぐそこまで歩くなんてありえないことなんですね。うちの地元でもちょっとそこまで行くにも車ですけどね。

 ヘリポートに着いて、荷物を計量して、体重を申告して、出発を待ちました。その間に他の旅行者から話しかけられました。こんな狭い島ですから、すぐにみんな仲良しになっちゃうわけですね。

 私は、ヘリポートにやってきた警察官に話しかけました。いろいろ教えてもらったんですけど、単身赴任ではなく家族といっしょに島へ来ているそうです。家族は必ず連れてくるというのが規則だそうで、家族は青ヶ島に来るために仕事をやめなければならないのです。それって、どうなんですかね……、警視庁さん。あと、私はうっかり失言しました。「暇ですか」と質問してしまいました。すると、「暇というのがわかりません。平和です」というお答えをいただきました。すばらしい回答じゃないですか。本当にすみませんでした。

 ヘリポートに警察官がやってくるのは、同じ伊豆諸島の御蔵島もそうでした。

 そんなこんなで、青ヶ島とお別れです。

 私もいろんなところへ行きましたが、青ヶ島がダントツで楽しいところでした。草千里とか奥入瀬とか感動しましたけど、青ヶ島の景色は5億点です。

↑ヘリコプター機内から八丈島を望む。

八丈小島

↑八丈富士。

↑ヘリコプター機内から八丈島空港を望む。

青ヶ島を含めた伊豆諸島を結ぶ定期ヘリコプター新型機AW139が訓練飛行中。12月12日から青ヶ島へ飛ぶヘリコプターが新型機になりますよ。こちらの新機材のお話も島でいろいろ教えてもらいました。

八丈島ビジターセンター。おじゃりやれとはいらっしゃいという意味の島の方言です。青ヶ島八丈島は他の島と言語が異なっていて、日本語の祖となっている4言語のうちのひとつなのだそうです。ただ、青ヶ島八丈島の言葉を話せる方がほぼいない状態で、言語の再現は困難だそうです。

 三宅島や御蔵島へ行ったとき訛っている方が全然いなかったけど、青ヶ島八丈島は訛っている方が多かったのはそのためなんですね。

八丈島ビジターセンターでジェラート

八丈島のピザ屋さんでピザ。

 というわけで、このあと全日空ジェット機で羽田へ飛びました。帰宅です。

 青ヶ島は本当にすばらしい島です。今まで行った市町村で断トツです。日本で最も到達困難な市町村の青ヶ島村へ、皆さんもぜひ行ってみてください。