やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

青ヶ島に行ってきました 3/5

www.youtube.com

青ヶ島の池之沢噴気孔群を動画で撮ってきたのでぜひご覧ください。

 この動画で撮っている斜面は二重カルデラの内側の小さなカルデラとなっている丸山です。この丸山だけではなく、池之沢のいたるところから蒸気が噴出しています。青ヶ島は活火山なのです。

 そんな活火山の池之沢には、噴き出す蒸気を利用した施設があります。それが地熱釜です。地熱釜で玉子や芋を蒸かすことができるのです。民宿で芋と玉子をもらって地熱釜で蒸かしてやるのです。それでは、蒸かす手順を写真でご覧ください。

↑玉子、じゃがいも、さつまいも。玉子は専用容器に入れて、芋はビニル袋に入れたままにしておきます。

↑これが地熱釜です。誰も使っていない状態です。金属のふたがありますけど、使っていないので触っても熱くありません。

↑ふたを開けると中には金網が入っています。その金網を取り出して、芋と玉子を入れます。

↑芋と玉子の入った金網を釜に戻して、ふたをします。地熱釜の下には赤いレバーがあります。このレバーをバルブと平行にします。すると蒸気が釜の中へ噴き出します。このあと30分から40分ほど待ちます。他の青ヶ島紹介ホームページでは30分とありますが、民宿の女将によると40分推奨です。

↑40分待つ間に、外輪山の外にある港へやってきました。こちらが青ヶ島三宝港です。八丈島青ヶ島を結ぶ船が入港します。

↑昔使っていた荷物の揚げ積み用ケーブルが奥に見えています。手前のクレーンも荷物の揚げ積み用ですが、今は使っていないようです。港の建設用かな?

↑港のチケット売り場兼待合室。昔はこの建物の屋上に温泉がありました。その温泉が私の第一目標だったのですが、ポンプが壊れてしまって修理しないまま温泉は閉鎖されました。たいへん残念です。

↑港と池之沢を結ぶトンネルです。集落から港へ行くには必ず池之沢を通ってこのトンネルを通過します。

↑池之沢で見つけたクレーン車。こちらが現在、船の貨物揚げ積みに使われているクレーンです。クレーンに記されている「伊豆諸島開発(株)」が船を運航する会社です。

↑港を見学している間に30分ほど経過したので地熱釜へ戻ってきました。女将の推奨する40分はまだ経っていませんが、どうでしょうか。ちなみにこのときふたはクッソ熱いです。触れないので金属の引っ掛け棒を使いましょう。

↑玉子が熱すぎてとりあえず転がしました。すると猫がやってきました。

↑いただきました。玉子は熱すぎるのでちょっとずつ剥いていきました。小さなパウチに入っているのは民宿でもらった塩です。

↑民宿でもらった塩です。これは塩です。それで、芋と玉子はどうだったのかというと、うまいとかまずいとかじゃなくて、とても楽しい味です。じゃがいもとさつまいもと玉子の普通の味なんですが、青ヶ島の地熱釜で蒸かした楽しい味がします。女将の言うとおり、30分だと芋がちょっと早いですね。やっぱり40分推奨です。

↑芋と玉子を食べ終わって、丸山に登りました。丸山もカルデラの外輪山ですが、登ってしまうと外輪山なのかどうかいまいちよくわかりません。

↑丸山頂上から丸山の内側をパノラマ撮影してみました。二重カルデラの内側ですが、おわかりいただけるでしょうか。

↑丸山に登ったあと、もう一度港へ行きました。船の入港を見るためです。

www.youtube.com

↑接岸する様子を動画でご覧ください。くろしお丸という船です。小さな船ではありますが、太平洋の波をそのまま受けているためよく揺れています。2022年1月から運航開始した新しい船です。前の船のあおがしま丸はプロペラが一軸だったため接岸が困難でした。あおがしま丸はわずか8年で定期就航をやめてしまいました。くろしお丸は2軸となりまして、少しくらいは接岸しやすくなったようです。

www.youtube.com

↑くろしお丸が離岸する様子も合わせてご覧ください。

 船の接岸と離岸を見学していたのは私だけではなく、他にも10人くらいいました。降りてきた乗客は5人くらい、乗った乗客は1人だけでした。旅客定員は200人です。大赤字かもしれないですが、島民の生活物資を運んでいるので必要な船です。

 貨物の揚げ積みも見させていただきました。売店の軽トラや島の運送屋の軽バンが合計5台ほどやってきて、船から降りてきたコンテナから出した荷物を助手席までいっぱいに詰め込んでいました。Amazonの荷物が多かったのは印象的です。意外と荷物が多いんだなあと思ったのですが、よくよく考えると、我々がふだんスーパーなどで買物している品物とヤマトや佐川が運んでくる荷物を売店の車と運送屋の軽バン5台にすべて詰め込んでいるわけですからむしろ少ないくらいかもしれません。

 さらに、警察官が船の係船ロープをつないだり離したり、荷物の揚げ積みを手伝ったりしていたのも印象的です。島ならではの様子ですね。

↑池之沢のふれあいサウナにやってきました。全国の村や町が経営している温泉はなぜふれあいという名前をつけたがるのでしょうか。

 ちなみに、温泉の法律において青ヶ島池之沢のふれあいサウナはサウナだけど温泉に分類されるということがこのときわかりました。

 ふれあいサウナ開店まで時間があったので周囲をぶらぶらしていたら猫が集まってきました。その猫を眺めているとおじいさんが車でやってきて、エサを配りはじめました。そのおじいさんが話しかけてきたのですが、なんとこの方、まさかの徳島県出身者でした。島には徳島出身者が他にもいたようです。今はおじいさんだけだと思います。

 青ヶ島へ観光に来るのはほとんどが東京もしくは関東なので関東以外は珍しいようですよ。とか言いつつ、翌日出会った観光客は兵庫でしたけど。

 おじいさんは島の暮らしが長いようで、帰省したいとおっしゃっていました。でもヘリコプターの予約が取れないから帰れないそうです。どうやって予約を取ったのか聞かれました。いっぱい電話したとしか言い様がありません。

 おじいさんとの会話は数時間に及びましたが、サウナでの滞在時間は5分程度だったと思います。サウナには湯船もありますが湯船は温泉ではありません。サウナよりも湯船のほうが熱かったです。

↑おじいさんと別れて、民宿へやってきました。こちらが夕食です。料理の左上の肉は同じものが売店にもありました。

 ちなみに、2泊目の民宿はあおがしま屋ではなくマツミ荘です。あおがしま屋が満室のため2泊目だけマツミ荘のお世話になります。マツミ荘のオーナーは笑顔が良い感じのおじいさんです。

 夕食を待っている間、食堂の壁を眺めていました。やたらと額縁が飾られています。いったい何の額縁なのか見ていると、全国町村会から贈られた賞状とか旭日小綬章もありました。

 マツミ荘オーナーは元村長なんですね。すごいところに泊まってしまいました。元村長はしゃべりだすと長いのなんのって。でも、その話が面白くてずっと聴いていられました。青ヶ島にヘリコプター定期便を誘致したのは元村長だったし、港の増設工事のことも教えてくれたし、港の待合室にあった温泉のことも教えてくれました。

 ついこないだ八丈島で、宇喜多秀家生誕450年を祝う催しがあったそうで、その場で大勢を前に歌ったそうです。元村長は歌手でもありまして、JOYSOUNDに歌があるそうです。宇喜多秀家を知ってるおかげでお話についていけました。岡山から八丈島までチャーター機が飛んだそうです。私が八丈島で夜にジェット機を目撃したのですが、こんな時間におかしいな、しかもフジドリームエアラインじゃないか、いったいどういうことだと思っていたのですが謎が解けました。岡山から飛んできたチャーター機だったんですね。

 この元村長がすごいのは、44歳で就任して3期で辞めているということです。村長といえば4期でも5期でもやっちゃうじゃないですか。60以上のおじいちゃんがやってるのが当たり前じゃないですか。でも、そうじゃないんですね。そういったところも青ヶ島特有の風土なのでしょうかね。さらに、元村長のご先祖もかなりすごい方です。後ほどお墓へ行ってきます。

青ヶ島の夜は明るいのです。どこへ行っても、民家がいっさい無い池之沢も街灯だらけです。青ヶ島で星を見るのが楽しみでしたが、街灯が多すぎて星が見えずがっかりしました。

青ヶ島で急激に左足が痛みはじめました。左足の脛が凹んでいるように見えます。痛がっている場合ではありません。痛みよりも青ヶ島にいるという興奮が勝ります。

つづく。