2022年4月日本公開
脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー、エレナ・キセリョワ
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あらすじ:1962年6月1日、ソビエト連邦のノボチェルカッスクでストライキが発生した。市政委員会や党中央委員会は具体的な対策を講じないまま、ストライキは大規模なデモへ発展する。そんな中、市政委員会生産部門課長のリューダは参加者を逮捕するべきだと主張するが、彼女の娘も参加者だった。KGBの射撃によって大勢の死傷者が出る中、リューダは行方不明になった娘を探した。果たして、ノボチェルカッスクの市民とリューダの運命は。
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ノボチェルカッスク事件は当時のフルシチョフ経済政策の失敗に端を発する機関車工場ストライキから始まる実際に起きた事件ですが、ソ連が崩壊するまで隠蔽されていました。現在ではプーチン大統領による献花も行われるなど、事件の調査は進んだようです。
白黒の映像なのですが、カラーのように感じられました。わざわざ白黒で撮影することに意味を見出せない私ですが、今作については良しとしましょう。
市民は不満を持ってはならないという体制側のリューダはスターリン大好きです。実はフルシチョフ体制に不満を持っています。そんな彼女も今回の事件ではさすがにソ連の現状を憂いていくのかなと思いきや、あくまでフルシチョフ体制を批判してスターリン大好きを貫くのでした。そうでもしないと自分を保てないということでしょう。これもまたひとつの宗教かもしれません。