2021年1月日本公開
監督:リドリー・スコット
原作:サラ・ゲイ・フォーデン
原案:ベッキー・ジョンストン
脚本:ロベルト・ベンティベーニャ、ベッキー・ジョンストン
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あらすじ:マウリツィオとパトリツィアの結婚から始まるグッチ一族の崩壊とグッチ三代目社長マウリツィオ殺害事件までを描く。
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面白いのでぜひご覧ください。
グッチのことなんてまったく知りません。どんなデザインなのか知らない私でも楽しめました。
グッチ帝国の資産と後継の争いでございます。身内だけで繰り広げられるのですが、鎌倉殿の13人で描かれる時代も骨肉の争いに終始する部分があります。なので、ニヤニヤしながら見てしまいます。ひでえもんでございますよ。
政子みたいな通称レディー・グッチが帝国を支配しようとして、激しく頓挫してしまいます。政子に比べたらやり方が急すぎました。味方づくりにも失敗しました。100%信用できる身内をがっちりつなぎ止めなきゃダメですね。
殺人事件の裁判資料やパトリツィアのインタビューによると、事実と異なる部分は多少あるようなので、あくまで実話に基づく物語ということです。
事件の主犯となるパトリツィア逮捕に至る経緯は警察のカルロス作戦から始まるのだそうで、この作戦だけで1本の映画が撮れてしまいそうです。ちなみに、本作ではカルロス作戦はいっさい描かれません。
マウリツィオの父がパトリツィアとの結婚に反対していました。その理由は、下等な家柄だからというのと、あともうひとつ……。そんな理由を聞かされると、マウリツィオは怒るし、見ているこっちも「なんだてめえ、お高く登りやがって」となるのですが、皮肉にも父の言ったことがすべて当たってしまうという悲しい物語でした。
良いお父さんだったんですね。
パーティで初めて出会ったパトリツィアとマウリツィオのふたりですが、そのときマウリツィオの姓がグッチだとわかったときのパトリツィアの表情で悟るべきだったのです。悪いやつやで。
マウリツィオ父以外にマウロというやつがだいぶ面白い男です。マウリツィオの従兄にあたるハゲのマウロを演じているのはジャレット・レトです。嘘でしょ? まるで別人です。おおげさな演技も見どころですよ。
本作のよろしくところは、パトリツィア当時25歳が40から50歳くらいに見えてしまうところですな。