2021年6月公開
監督、脚本:平尾隆之
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あらすじ:ニャリウッド映画界の敏腕プロデューサーであるポンポネットが新人のジーンに自身の脚本を渡して監督を任せた。さらに、ヒロインも演技未経験の新人だ。10年間沈黙していた大俳優マーティンを主役に据えて、映画製作は進む。果たして、上映までこぎつけるのか。
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同じく2021年6月日本公開のカムバック・トゥ・ハリウッドと合わせてご覧ください。どちらも映画プロデューサーがニャスカー(オスカー)を目指しています。
映画冒頭では、ポンポネットが90分程度の短い映画をすばらしいと語ります。この部分は、私も以前から申していたことですので激しく同意です。短い映画はたったそれだけで名作です。全然そんなことはありませんが。
ちなみに本作そのものは94分です。惜しいですね。4分超過です。作中では90分に抑えることの大切さをポンポさんが語ります。
さて、終盤の展開は大嫌いです。前半はかなり好きだっただけに、相殺してゼロになりました。
結局夢も金なんですよ。ジーン監督が過酷な編集作業で体を壊してしまって入院しました。ジーン監督は新人だけど編集に長けています。そのため映画試写に間に合いそうにありません。間に合わなければ出資者が離れてしまいます。
所詮金です。何もかも金です。作中の人物たちが夢のために資金調達を訴えますが、金です。
みんながお互いに相手の夢のためにがんばってくれたら金の苦労なんてなくなるんだろうなあと妄想しました。
ジーンが眠る時間を確保して落ち着いて編集作業できれば、もっと良い作品になったかもしれません。ジーンの目にひどいクマができています。
ジーンが過去に出会ったことのある人物が資金調達に奔走しますが、その人物もまたジーンの映画のために残業していました。
半地下の家族製作体制を見習ってほしいと思います。
夢を見せてくれるのであれば、もうちょっとしっかりした夢を見せてほしいと思うわけです。みんなの妄想が炸裂したものを見せてほしいです。だって、これは映画なんだから。観客が映画を見る理由についても作中で触れていましたからね。
長時間労働ってすばらしい! 夢のためなら長時間労働もやっちゃう!
皆さんはこの終盤の展開をどのようにご覧になりますか。
ところで、作中の背景に2021年公開映画「ガンズ・アキンボ」のポスターがありましたね。