やくもとうずしおをがっつりと

目指していた国道完走と鉄道完乗は終わりました。日本のすべての国道を走り、鉄道に乗ったのです。

映画「すばらしき世界」鑑賞感想

ポスター画像

2021年2月公開

監督、脚本:西川美和

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あらすじ:13年の刑期を終えた三上正夫が旭川刑務所を出所して東京にやってきた。カッとなりやすい彼だが、彼と接した周囲の人々が変わっていく。そして、三上もそんな彼らのやさしさに触れて変わっていく。

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 三上のような瞬間湯沸かし器、怒鳴る人間はめちゃくちゃ苦手なんですけど、彼が怒鳴るたびにビクッとなったりしませんでした。不思議です。

 また、お風呂で背中を流す場面で目頭を熱くしました。

 どんな人間であっても我々の社会は受け入れていかなければいけません。そうしなければ彼らは再び犯罪に手を染めざるをえなくなるのです。だけど、もし三上正夫に出会ったとき受け入れることができるでしょうか。私にそんなことは難しいですし、この社会は悪意に満ちているのでした。

 やさしさを持って彼に触れる周囲ですが、この社会で生きていくには忍耐と見ざる聞かざるが必要なのだと教えていくのでした。それでいいのかという話ですが、そんな簡単に周囲が変わってくれるわけもないし、生きていくにはやむをえないということで、切ないですね。

 それにしても結末には納得しません。この結末に至ることは冒頭から示唆されていました。でも、だからってこんな結末になるとは思いませんでした。クライマックスで、三上が橋の上で携帯電話を使って通話する場面があります。そこで終わってくれたらなあとは思います。でも、あのとき嵐が来ていました。

 社会はやっぱり悪意に満ちているのでした。生きていくために、やむをえないのでした。理想だけではだめなんですか。すばらしき世界はまだありません。