やくもとうずしおをがっつりと

目指していた国道完走と鉄道完乗は終わりました。日本のすべての国道を走り、鉄道に乗ったのです。

映画「えんとつ町のプペル」(一部ネタバレ)鑑賞感想

ポスター画像

2020年12月公開

監督:廣田裕介

原作、脚本、製作総指揮:西野亮廣

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あらすじ:煙突町の住民は、煙で覆われたその向こうに空があることを知らない。だが、幼いながら煙突掃除をするルビッチは空を信じている。そんなある日、ごみから生まれたゴミ人間のプペルと出会う。ゴミ人間を迫害する住民たちから隠れ、彼を追う異端審問官から逃げつつ、空を見ることを夢見るが。

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 原作未読です。

 ボロッカスに叩いてやろうと息巻いて、チケットを買って、劇場に入ってみました。なんと、空席は4席くらいしかありません。ほぼ満席です。公開から35日以上過ぎているにもかかわらず、これはすごいことです。老若男女といった感じの客層です。偏りはなさそうです。

 結果から申しますと、まあまあどころかかなり面白い映画です。

 主人公のルビッチは父からもらったブレスレットをなくしているのでずっとそれを探しています。それを見つけるのが起承転結でいうところの転ですが、びちゃびちゃに泣きます。周りからもすすり泣く声が聴こえました。クライマックスもだいぶ泣きます。

 冒頭は説明セリフから入りました。そういうのは映像で表現してほしいよなあということで、まずはこれを揚げ足取りに使ってやろうと思いました。

 そのあとの街の構造も多層空間になっているのですが、そういうところも半地下の家族みたいに映像で表現してほしいものです。揚げ足取りの2つ目です。

 そして、起承転結の起が長くて長くて、80分くらいにまとめてほしいものです。

 しかし、これらは結に至ったとき、ああ、そういうことだったのかと合点がいくしかありませんでした。

 ルビッチの父が紙芝居で煙のむこうに空があることをずっと語っていました。そんな父を町中が馬鹿にします。とにかく、その紙芝居というのが大切な点です。説明セリフのように思えて、実のところは紙芝居だからこそなんですね。

 冒頭に死ぬか生きるかの危険な状況があったのですが、絵に緊張感がなくてドキドキしないし、ギャグが面白くないという点もありますので、すべてが良いとは言えません。とはいえ、全体的にはかなり良い作品になっていると思います。

 町の文化が和と漢を中心としていながら洋も少し混ざったものです。そのあたりも少しくらいは説明してほしかったですが、結になればそれも理解することになりました。すべては結にあるのです。空があることを知るだけでは終わらないのでした。

 異端審問官の兵士が某エロゲの兵士に見た目も掛け声も似ていて、そこも気になりましたが、それは私だけの問題ですね。

 ルビッチの友達じゃないけど友達っぽい3人がいます。その中の大きなやつがやたらとルビッチをツンデレぽく心配する場面があります。星を探すのはやめろというわけです。本当はルビッチのことが大切だからなのだと予想していたのですが、それについては違う理由でした。ちょっと後出しくさい理由です。

 この作品が言いたいことは、創作というものは楽しくて信じられるものなんだということなのでしょう。それが大切なことなのです。根拠のない批判はやめておけということです。夢を忘れたオトナたちへの忠告です。ええこと言いますやんか。この言いたいことというのは私の拡大解釈ですのであしからず。

 ところで、この煙突町の設定は、天冥の標のメニーメニーシープそっくりです。外から隔絶された町、外と交流がなく閉ざされた世界であり外を知ってはいけないという設定は、ありそうな感じのものです。ただし、メニーメニーシープにそっくりなのはそれだけではありません。煙突町を統治する者がいます。その者は250年間代々血を受け継いできました。統治者は煙突町を閉ざしている理由を知っています。そういうところがそっくりです。

 しかも、その理由は、煙突町の人々を守るためのものでした。貨幣経済から人々を守るために250年前の人々が自らを閉ざしたのでした。

 煙突町の歴史を知れば、閉ざしたことも悪いとは言い切れません。

 ということはですよ、煙突町の人々は外を知ったことで更に大きな試練に向き合うことになるのです。それの是非は煙突町の住民に知ってもらうとしましょう。

 最後に、観客が多いのでスタンディングオベーションを恐れていましたが、ありませんでした。

 見ずに批判をするのは無しでした。

 こういう感じで、私みたいにみんな沼にはまっていくのでしょうねえ。私も別のナニにはまっていた時期がありますし。