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「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。

映画「事故物件 恐い間取り」(ネタバレ)鑑賞感想

ポスター画像
2020年8月公開

監督:中田秀夫

脚本:ブラジリィー・アン・山田

原作:松原タニシ「恐い間取り」

音楽:fox capture plan

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以下はネタバレですので閲覧注意です。

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ネタバレのあらすじ:山野ヤマメは中井大佐といっしょに売れないコンビ:ジョナサンズでコントを10年続けてきた。しかし、突然中井がコンビ解消を山野に告げる。中井は売れない状態を脱して放送作家になるという。大阪のテレビ局で解散の挨拶をしていると山野はプロデューサーに「事故物件に住んで面白い映像を撮ってみろ」と無茶ぶりされる。それは中井の発案だったがプロデューサーの発案になってしまう。大阪市内の事故物件に住んでみると奇妙なオーブを撮影することに成功した。これがきっかけで山野は事故物件住みます芸人として売れはじめる。事故物件2軒目は不動産屋で事故物件担当の横水から紹介されたものだった。ここでも奇妙なことが起こり、山野は「恐い間取り」という書籍も発表した。一方で中井のほうは企画を取り上げられることもなく、山野に「事故物件にいっしょに住まわせてくれ」と懇願する。さらに、黒い影が山野につきまとうようになった。

 ジョナサンズコンビの頃からファンだった小坂はメイクアップアーティストとなり、コンビ解散後も山野や中井と交流を持った。小坂は幽霊を見ることのできる体質であり、山野の事故物件に招かれて次々と幽霊を目撃し恐怖する。山野は心霊映像撮影のために小坂に頼みこんで協力してもらうことになった。

 山野と中井は幽霊を目撃した直後に自動車にはねられて、そのおかげでますます山野は人気を博す。だが、中井は北九州にいる父が死ぬということもあって恐怖を覚え、この業界を去る決意をした。山野にも事故物件に住むことをやめるように言った。

 事故物件3軒目でもさまざまなことが起こり、山野が出演している番組は東京進出して、山野もレギュラーに昇格した。

 東京都内の物件は事故物件であっても高額なため千葉市内の事故物件に住むことになった。これが4軒目だ。ここでは意識を失う、呼び鈴が鳴っても誰もいないなど現象が発生した。

 買物から帰った山野は突然大勢の幽霊に襲われて、黒い影が彼を殺そうとした。そこへ小坂が飛び込んできて山野を助けようとするが、黒い影は小坂すら操ってしまう。さらに中井が飛び込んできた。中井は横水と電話でやりとりし、苦戦しながらも黒い影を倒すことに成功した。

 その後、山野は小坂と同棲するため横水から事故物件ではない部屋を紹介してもらう。ところが、そのとき横水が黒い影にとりつかれてトラックにはねられる。消えたはずの黒い影はまだ彼らにつきまとうのだった。

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 事故物件住みません一般人の裏表野良猫です、こんにちは。原作未読です。

 大きなツッコミどころのある本作ですが、ここ最近の中田監督の中ではかなりマシだと思います。「スマホを落としただけなのに」2作がどんな言葉を並べても足りないクソ作品であり2019年の貞子もなかなかひどい作品でしたので、そのおかげで本作は見られるものになったと思います。クライマックスの御祓いはド派手です。笑える作品ですので、ホラーが苦手な方も劇場でご覧ください。

 ホラーなのに笑うという感想が多数ありました。ホラー映画なのにどうなのよと批判する方がちらほらいました。でも、中田監督はそれが狙いだったんですね。中田監督は近年の作品で「IT」の一作目に注目したそうです。中田監督がおっしゃるには……邦画のホラーは、もともと人間だった幽霊が出てくるため呪う意思を持っています。それに対して昨今の流行である欧米ホラーではゾンビやITなど人間とはかけ離れた存在であり意思も何もないということです。また、近年の日本はハロウィンが定着して、ホラーを楽しむようになりました。そこで中田監督は本作にそれらを取り入れて意思を持たずに人間を襲う恐ろしいものを出したのだそうです。また、ホラーを楽しむということで、クライマックスで黒い影と対決させたのだそうです。それは体験するホラーということだそうです。怖いけど面白いものにしたそうです。

 なるほどな。

 Jホラーをやるつもりはなかったということですね。

 ちなみに中田監督は本作に出演しているそうですが、まったくわかりませんでした。松原タニシさんと田中俊行さんには気づきました。もうひとつ、中田監督が本当に怖いものは野生動物だそうです。ああ、それはわかりますね。余談ですが、怪談師(自称はオカルトコレクターで、本職はイラストレーター)の田中俊行さんは芸人ではなく一般人なのですがトークがめちゃくちゃ面白くて一般人とは思えません。私が怪談師として面白いなあと思う方はありがとうぁみさんです。

 あと、音楽を担当したfox capture planですが、ヘレディタリー/継承を参考にしたそうですよ。不快な音で恐怖を演出したそうです。

 松原タニシさんは、いわゆる見える人ではないそうですが、それにしては自身の体験談を多く持っていますね。

 松原タニシさんが大島てるさんといっしょにやっている事故物件番組があります。その中で事故物件の告知義務を語っていました。映画では不動産屋の横水さんが「住んでくれるおかげで事故物件が事故物件ではなくなる。次の住民への告知事項がなくなる」というセリフを言っていました。大島てるさんによると誰かが事故物件に住めば次の住民へ告知義務がなくなるというのは都市伝説だそうです。不動産の告知義務は法律で定められていますが、告知義務がなくなる瞬間というのは法律で決められていません。どのタイミングで告知義務がなくなるのかについては判例がバラバラであり都市部では5年程度で告知義務がなくなるということもありますし、田舎では告知義務がずっと続くということもあるそうです。

 事故物件サイト「大島てる」では数多くの事故物件が紹介されていますね。和歌山には「心霊的瑕疵物件」がありました。皆さんもがんばって探してみてください。ちなみに大島てる自身は心霊などを信じていないそうです。

 もうひとつ、松原タニシさんがおっしゃっていたのは事故物件に住みたいといっても相手にしてくれない不動産屋が多いとのことです。怪しまれるようですね。なので、作中の横水さんみたいなキャラは基本的に実在しないのでしょう。

 さて、私は、ほんとにあった!呪いのビデオなど心霊映像をたくさん見ていまして、だいぶ慣れてしまいました。怪談も面白くて自分のネタにしてみたいなと思うけど恐いと思うことはなくなりました。おかげさまでホラー映画も恐いものがありません。ところがですね、夜に恐いところへ行くと恐怖を感じてギャアギャア騒ぎます。感じたり、見えるというわけではないのですが。心霊といったものを信じているかどうかについては、そういうものは存在すると思っています。何年か前に本物の心霊写真を見ましたので信じるようになりました。とはいえ、事象の9割9分9厘は作り物、ヤラセ、思い違い、機器の異常などなどだと思っています。怪談にも実話怪談というものがあって、ここ5年くらいでかなり盛り上がっていますが、その実話怪談も実話なのかというと、実話怪談を披露した田中俊行さんが某番組でぽろりと失言をしてしまい、爆笑でしたけど、実話怪談も実話ということにしないと楽しむこともできなくなります。ある程度は信じるピュアな心も必要ですね。

 そんな私ですが、リアルで恐い心霊体験をしてみたいと長年願っています。生きている人間による恐怖は勘弁してくださいね。というわけで、幽霊さん、出てきてください。