2020年7月公開
監督、企画:阪本順治
脚本:丸山昇一
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あらすじ:ハードボイルドを気取る売れない小説家市川進は伝説の殺し屋というもうひとつの顔があった。しかし、実は一度も殺したことがなく銃を撃ったこともない。旧友の石田から殺人依頼を受けて標的のリサーチをするが、実行は別の若い男だった。そんなとき石田の命が狙われた。
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丸山昇一さんはこれまで「野獣死すべし」や「探偵物語」などを担当していたということなので、阪本監督の企画に乗ってこれまで犯してきた罪をこの作品で償おうとしたという見方もできませんか。クリント・イーストウッド監督のようなことを邦画なりにやってみたという見方もできませんか。
ただし、今作品はどうやら20人以上を殺害しているようなんですよ。劇中にも「そのツケが回ってきた」というセリフもありました。何かしらの償いをするべきでしたが、市川や石田、実行犯の妻夫木聡は罪を背負わずに幸せな生活をエンディングで保障されました。それって良くないんじゃないですかね。彼らが幸せになってくれることを願いつつ見ていた私ですが。
観る前は、まさか死人が出る映画だとは思いませんでした。
大勢の死者を出したコメディはコメディのまま終わりました。殺された人々は詐欺師であり他人の人生を狂わせた大悪党だったりしますけど、それらが殺されたらスカッとしますが、それはそれです。クライマックスの対峙はもう少しなんとかならなかったのかなと思います。周さんは本物ということにすべきだったでしょう。
ところで、劇中の石田は本当に元検察の仕置人なのでしょうか。標的を市川に伝えたり多額の金を用意しているので本物なのでしょうけど、なんだか実は石田もそういうフリをしているだけなのではないかと思います。
バーのマスターであるポパイを演じているのは徳島出身の新崎人生さんです。どうやらポパイにはよろしくない過去があるようですね。ぜひご覧ください。