2020年7月公開
監督:城定秀夫
脚本:奥村徹也
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あらすじ:母校野球部が夏の甲子園に出場したため、生徒たちは強制的に応援のため連れてこられた。演劇部3年生の安田と田宮はアルプススタンドの隅で妙に気を遣い、野球の知識もないまま観戦する。そこへ元野球部3年の藤野がやってきて2人の会話に加わる。彼らの後ろには成績優秀な宮下がいた。そこへ現れた教師の厚木が大声で応援しろと彼らを熱く指導する。ブラスバンド部を率いる久住は演奏に力が入る。試合の経過と共に彼らの会話が展開していく。
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撮影している場所は神奈川県平塚市内だそうです。どう見ても甲子園ではないわけで、甲子園で撮影することはできなかったのか、県大会の試合という設定にできなかったのか、という雑念が沸いてしまいました。
あと、彼らの高校が埼玉県立です。それもまたノイズです。埼玉県に限らず多くの都道府県では私立高校が甲子園に出場しますし、埼玉県は春日部共栄、浦和学院、花咲徳栄などの強豪校がひしめいています。2000年以降は春夏すべて私立です。そのような状況で公立が夏の甲子園に出るのは大ニュースです。東京から公立が出たときもニュースになりました。埼玉から公立が出るとなると、ブラスバンドの応援も準備がたいへんではないでしょうかね。というわけで、設定は私立高校でもよかったんじゃないかなと思います。
そのような設定もありながら、「しょうがない」を否定したあとの展開は熱いものがありました。目頭が熱くなりました。とはいえ、先生から「しょうがない」と言われた過去のある女の子を救う展開は少しほしかったですけども。彼女に向けられた言葉を否定するもっと強い何かがほしいところです。
久住さんにつきましては、すべてを持っています。私だってたいへんなんだよと言われたところで、それがどうしたとしか思わないのですが。ウザい部員がいますけど、それが彼女にとっての苦しい点なのでしょうか。持たざる者の視点だと彼女のたいへんさは大したことがありません。
厚木先生がいちばんたいへんそうです。教師という立場もありますし、どうかお体を大切にしてほしいものです。
彼らが大人になって再会した場面ですが、女性3人の服がダサいのはなんとかならなかったのでしょうか。