やくもとうずしおをがっつりと

目指していた国道完走と鉄道完乗は終わりました。日本のすべての国道を走り、鉄道に乗ったのです。

映画「Fukushima50」鑑賞感想

ポスター画像
監督:若松節朗

原作:門田隆将

脚本:前川洋一

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あらすじ:東日本大震災によって起きた福島第一原発事故の発生当時を描く。

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 当時、地震発生からネットやテレビにあふれる映像を見ていました。しかし、3日目くらいで精神的にやられて、今でも津波の動画を見ると鳥肌が立って見ていられなくなります。

 それもフクイチの事故がこちらの精神を蝕んだ感じがありました。自分の国がまさかの事態になった、絶対安全なはずの原発が事故を起こして住めない土地ができた、その事実に私は向き合えません。

 ただ、富岡町双葉町へ赴いて買物をしたりしました。帰還困難区域の入ることができるようになったところへ入っていきました。というのも、日本のすべての国道制覇と鉄道完乗を目指していたので帰還困難区域内の国道が通行可能になるのをずっと待っていましたから。

 2016年、通行できるようになった常磐道で帰還困難区域を通過したときはフクイチだけが明るくてそれ以外は真っ暗でした。

 2018年、浪江に行ったとき富岡駅から浪江駅までバスに乗りました。これも帰還困難区域を通過しますが、車窓からゴーストタウンが見えました。ただ、浪江には、ほかの地域のような日常もありました。2018年は2度行きまして、近くのコンビニでは日常そのものでした。ただ、除染関連や線量調査の車が駐車場にいたのです。日常に見えてもまだまだ日常ではありませんでした。フクイチには馬鹿でかいクレーンが見えました。

 どうか、皆さんもフクイチ周辺へ行ってみて、買物などをしてください。このブログが公開される3月14日には常磐線が全線営業開始しますので、ぜひ。そうでなくても、福島以外の被災地でもいいから、行ってみて金を使ってくださいね。

 本作は、いきなり14時46分から始まります。それだけで私は鳥肌でした。日本がこんなことになっていて東京も人が住めなくなるかもしれない危険があったことに泣いていました。作業員が家族のいる体育館へ来たところでは号泣です。

 さて、本作については、いくつか気になる部分はありました。もし炉心が爆発したらフクイチを中心に東京も含めた半径250キロ以内が住めなくなることを表すイメージ映像がありました。なぜそんな映像を本作に加えたのでしょうか。そんな恐怖を煽る映像が必要でしたか。実話を基にした作品なのだからイメージ映像はいらないです。あと、炉心が溶解している映像もありましたけど、どの程度溶解しているのか今でもはっきりしないのに、この映像もいらないです。

 総理などの名前は本作では明かされません。それはなぜなのか。皆本名なのになぜ総理や官房長官などの名前は伏せたのでしょうか。

 それと、1号機のベントについて、総理が視察するからそれまでベントを待ったという描写がありますけど、それは事実と異なるのではありませんか。一応、1号機のベントが決定から実施まで時間をかけた理由は本作で明かされますが、まるで総理視察を待ってからベントをするかのような印象を受けます。

 2号機が最悪の状況かもしれない場面で、それを回避するまでなぜあんなだらだらしたドラマを展開したのでしょうか。危機回避は、現場で注水を続けた作業員がいたからですけど、そのあたりをほんの少し映すだけでした。注水が見えないところで関係者のドラマをやっているだけでした。

  テレビ会議は当時から知っていたので無条件で入ってくるのですが、それ以外の場面はなんだか嘘くさい印象です。それでもずっと泣きっぱなしだったのですが。彼らを英雄視する海外記事が映画のタイトルにもなっていますが、英雄視する暇があったら東電は彼ら職員の生活を保障するべきです。チェルノブイリですら手当を出していました。死ぬまでの面倒は見るかどうかわからないとチェルノブイリでは言っていましたが、東電は職員だけではなくその家族の面倒も見るべきです。健康的な被害は出ていないから面倒見ないつもりかもしれませんけど、にしてもそれくらいはやっていいのではありませんかね。金を出す出さないという話が作中ではまったくないから嘘くさいのかもしれません。

 結果的に急性被ばくは起きませんでした。チェルノブイリ事故と比べると本当によかったです。作品の出来はドラマ「チェルノブイリ」に及びませんが。やたらと比べてしまいます。比べていないと精神的にやってられません。そうすることでフクイチはまだマシなんだと思うのです。それでもドラマ「チェルノブイリ」はまだ他人事でいられましたが本作はわずか9年前の出来事であり、当時のテレビなどを見ていたわけで、そりゃあ避難した人々のほうがはるかにつらい目に遭っていますけど、とはいえ精神的にやられました。

 だから、本作はあまり見たくなかったのですが。なんとか見ることができました。