やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ミッドサマー」鑑賞感想

ポスター画像
2020年2月公開

監督、脚本:アリ・アスター

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あらすじ:家族を亡くして悲嘆に暮れていたダニーは、大学で民俗学を学ぶ恋人やその友人5人とスウェーデンへ向かった。彼らの目的は90年に1度開かれる祝祭への参加だった。日の沈まないその村は花が咲き、人々も明るい。しかし、不穏な空気を彼らは感じることになる。

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 明るい農村という焼酎がありますね。鹿児島です。109年前から作られているのだそうです。

 そんなことはどうだっていいんだ!

 ホッ ハッ 息遣いが気持ち悪い作品でした。ダニーの家族が死んだときに泣き叫びますけどそのときの苦しい息遣いもありますし、村に着いたあとの息遣いが耳に悪いのでした。

 彼らが出発してストックホルムへ向かうあたりから、けっこう酔いそうになりました。ヘルシングランドというところが舞台となるわけですが、ストックホルムからの車中も、車を降りたあと森の中を歩いて門をくぐるまで、画面に酔ってしまいそうでした。目がぐるんぐるん回ります。

 そのあとのヤクブツによる画面の歪みで酔うことはありませんでした。作中の人々がどいつもこいつもヤクブツ大量投入なのです。それが効いてくると画面が歪みます。ところが、私はそのときは酔いませんでした。むしろヘルシングランドに着くまでがダメでした。

 死体がいっぱい出てきますけど、グチャッ! って死ぬ瞬間も見ることになりますけど、そんなに、なんというか、死体とか死体になる瞬間とかまるで人形ぽいので、きっとグロいものが苦手な方でも大丈夫ですよ。

 ネットで感想を漁っていると、「利己的な人物が消えていき、集団と一体感が出て、最後には解放感が味わうことができる」というものがありました。あー! たしかに。

 最初の死人が出るときの儀式は、騒ぐ2人組がいます。こんなので死ぬのはおかしいよと騒ぐわけです。でも、(こいつうっせえな)と思っちゃうわけです。今大切な儀式やってんだから、みんな静かに見守ってるんだからおまえらも協力しろよとなります。それにしてもこの儀式は、スイスなどで実施している安楽死への批判なのでしょうか。自分はもともと安楽死賛成派なので、儀式を行う集団と同じ意識になってしまいました。だからどうした!

 5人組のうち、よろしくないことをするヤツが出てきました。村への敬意が足りませんし、長老から「ダメだよー」って言われたことをこっそりやってしまうヤツですね。集団をないがしろにするわけですね。そんな奴は許せない!

 というわけで、物語が進むにつれて笑いながら観ていました。危ない作品です。

 あと、とんかつを作る場面もありましたね。地面に穴を掘って、麦、豚肉、たまごを埋めていました。とんかつじゃん! とんかつできるじゃん! もしかしたら肉は牛肉かもしれません。牛は登場したけど豚が登場していませんから。ということは、ビーフカツができるじゃん! やったー! 塩コショウをしていなかったのは気になりますけど。

 ごはんを食べたり、何かを飲む場面が多いのも本作の特徴ですね。目を合わせながら注いでもらう飲み物のとき、ガラスの容器だったのですがやたらとおしゃれというか現代的なデザインでした。それ以外にも食器は、古さを感じさせません。90年に1度祝祭をやっているなんて実はウソなんじゃないですか。実はけっこう最近始めたことなのではという疑念が沸きました。

 基本的に、飯や飲み物はあまりうまそうではありません。見た目が……悪い……

 アーア アーア アーア 集団は声を合わせるのが上手ですね。歌もうまいので、そういうところがこれまた気持ち悪くて最高です。

 気持ち悪い映画でした。でも、笑えますのでぜひ劇場でご覧ください。