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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「孤狼の血」鑑賞感想


2018年5月公開
監督:白石和彌
脚本池上純哉
原作:柚月裕子孤狼の血
音楽:安川午朗
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あらすじ:昭和63年4月、広島県呉原市でサラ金の行員が行方不明になった。呉原東署の大上刑事は暴力団加古村組が関係していると睨み捜査していた。その大上に新人の日岡刑事がつく。一方で加古村組は尾谷組との抗争を画策していた。大上の過去と日岡の本当の任務など、事態は複雑に絡み合う。
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 東映は仁義シリーズの正統な跡目として、また県警対組織暴力の流れも組む作品として売り出したいようですが、本作はあくまで白石和彌監督の新作だと思います。原作はありますが。とにかく東映も力が入っています。
 舞台が広島県なのでたまたま劇中の言葉が広島仁義の訛りになっています。そのため仁義シリーズかなと見えてしまいますが、あくまで新時代のヤクザ映画に仕上がっているでしょう。
 というわけで、最高じゃないですか。役所広司の広島仁義訛りも松坂桃李の追い込まれていく様子も。最後に松坂桃李が叫んでしまうあたりは幻滅ですけどね、あ、そこ叫んじゃうんだ、って。
 役所広司演じる大上がどんな男なのか、梨子ママの息子にやたらと絡むところと、船の上である仕草をやりますが、そこです。この2つが、後々そういうことだったのか!と納得していきます。
 ナレーションが入るのもいいですね。そういうところは仁義を意識した感じですかね。ナレーションを入れるならテロップも入れて欲しかったです。テロップがもっとほしいです。
 それにしても、ビールの缶ですよ。プルタップじゃないですか。小道具としてわざわざ作ったんですかね。小道具といえばピエール瀧の特攻服ではないときの私服です。ピエール瀧がヤクザのときいつも着ているゆったりしたダサいやつですね。さすがに笑います。
呉市を呉原市にしたのは、呉市ではダメなんですかね。呉市からストップかかっちゃいましたかね。ロケ地がほとんど呉市ですけど。
 仁義シリーズといえば記憶に残るセリフです。今作ではそこがいまいち弱めなんですが、五十子会長の「びっくりドッキリクリトリス」はひどいですね。言っていいオヤジギャグにも程度があります。
 本作はいろいろと詰め込みすぎた感じはあります。仁義と極妻と県警対組織暴力と。どれかひとつに絞ってもよかったのではありませんかね。
 詰め込みといえば、山守の親分さんみたいな賑やかしキャラがいませんね。弱腰及び腰キャラもいません。みんなが血気盛んです。詰め込むならそういうところも詰め込んでほしいです。そんなことをしたらただの仁義シリーズですね。そう考えると、キャラの豊富さは仁義シリーズですなあ。
 苦言もありますが、日本でいちばん悪い奴らっぽいところもありますし、かなり気に入っています。
 正義とは何か。ガミさんも正義だよ!