やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(字幕)鑑賞感想


2017年12月米国公開
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:リズ・ハンナ、ジョシュ・シンガー
音楽:ジョン・ウイリアム
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あらすじ:ベトナム戦争が泥沼化していたが、米国政府はそのことを隠して戦線の拡大を続けてきた。しかし、ベトナムにおける戦況を報告した極秘文書がニューヨークタイムズで報道された。一方、特ダネをつかみ損ねたワシントンポストは女性社主のもとで株式公開という大きな変化をしようとしていた。
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 なるほど、これがきっかけで米国はベトナムから撤退するのですね。知りませんでした。これこそ報道の自由だと思うのです。国民にとって不利益な情報を機密として隠していた米国政府の責任を問うものなのだから、この場合は報道の自由を発動するべきです。
 ただ、トム・ハンクスが演じるブラッドリーは国民の不利益になることを隠していた政府を糾弾するというよりも自分の名誉のためやワシントンポストの特ダネとしてこのネタを報道しようとしている面もあります。機密文書を報道することによって政府から訴えられ収監されることを恐れて報道しようかしまいか揺れる彼らです。報道しようとする彼らがそれを反対する人たちを説得する方法として、ベトナムにいる兵士は国民でありその国民を助け出すためにベトナム戦争終結させるという意味で報道するのだという意見を前面に出せばよかったのになあと思いました。報道の自由ばかり押し出すものだから、何のための報道の自由なのかが彼らから伝わってきません。あちらの題材としてこういう新聞社による真実を求める戦いってやつが多いですね。アメリカは民主党よりの報道と共和党よりの報道がありますから、あまり健全ではない印象がありますが、そういう状況に対する批判もこめているのでしょうかね。
 前半は、ワシントンポストがこの特ダネの存在を知るまでに時間がかかりました。少しイライラしたのですが、後半の展開を見たあとだと必要な時間だったと思います。特ダネをつかもうとする記者たち、つかんだけど掲載するかしないか迷う記者たち、一方の社主、ダラダラして前に進まないように感じられる展開も終わってみると手に汗握っていることに気づきます。
 ぜひ劇場でご覧ください。