やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「IT/イット それが見えたら終わり」字幕鑑賞感想


監督:アンディ・ムスキエティ
脚本:チェイス・パーマー、ゲイリー・ドーベルマンキャリー・フクナガ
原作:スティーヴン・キング
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あらすじ:ビルの弟が消えた。夏が来て、デリーの町から次々と子供たちが消えていった。ルーザーズ・クラブの男の子たちは暗闇で悪夢を見るがそれは必ずピエロへと姿を変えた。一方、クラブに加わったベンはデリーで27年ごとに悲劇的な事件が起きていることを調べていた。果たして、ピエロは何者か。ビルたちは悪夢を乗り越えられるのか。
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 90年にも映画化されており、当時は大人になったビルたちを襲う恐怖まで描かれています。今作は大人の部分は続篇ということです。
 さて、親を乗り越えていく子供たちと、その子供たちが共通して恐れる闇を乗り越えていく姿を描いている点は散々語られていますね。今作ももちろんそうですが、見ててつらいのは彼らを守ってあげる大人たちがいないことです。彼らの親は皆彼らを守っているつもりでしょうが全然守っていなくて、中には危害を加える者すらいました。いじめっ子のお父さんが一番ひどいあたりでは涙腺が緩みます。あんたが原因だったのか! という感じです。
 それでね、その親を乗り越えるというか、親が恐怖の対象であるという点はとりあえず置きまして、この物語には子供を守る大人がいないってことですよ。いっさい出てきませんよね。何度でも言います、子供を守る大人が出てこない! それってどうなのでしょうか。
 出てこないのなら自分たちが子供を守る大人になるしかない、そんな感じじゃないですか。そういうあたりが続編につながると思いますけれども。
 本当にね、大人がどいつもこいつもダメだから観ていて苦痛でした。子供が、恐怖を自ら乗り越えるってのは必要ですけど、それを見守る大人だって必要でしょうよ。乗り越えられなかったとき、子供が道を踏み外したとき、それを助ける大人が必要でしょうよ。それだから、いじめっ子が一番かわいそうです。