監督:黒沢清
脚本:田中幸子、黒沢清
原作:前川知大「散歩する侵略者」
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あらすじ:加瀬鳴海の夫真治が鳴海のことを忘れた。言動がおかしい。真治は鳴海に「ガイドになれ」と告げた。一方で、高校生の立花あきらは自分の家族を惨殺し、その立花あきらを天野という少年が探していた。ジャーナリストの桜井は天野と出くわし、「ガイドになれ」「自分は宇宙人であり人類の侵略をしようとしている」と言われて桜井は信じていないながらも天野の「ガイド」となる。果たして彼らは本当に宇宙人なのか。人類は侵略されようとしているのか。
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黒沢清監督は苦手です。車の場面が特にそうです。車窓が嫌いです。だけど、侵略者の話ですからね。見るしかないでしょう。どんな映画になるのか気になりますから。
おかしな真治を助ける鳴海、おかしな天野を助ける桜井、それぞれの物語が面白いですね。ただ、どうしても特撮の小道具とかがあまりにも安っぽいなど、そういうところに目がいきます。気になってしかたがありません。
人間から概念を奪ってだんだん物知りになっていく彼らですが、ということは人間の言葉などを知らないはずで、それなのに初期からけっこう流暢にしゃべる場面に違和感もあります。
彼らを追いかける謎の組織もしょぼいし、設定が甘かったり、そういうところもきっと黒沢清監督だからこそなのでしょう。明らかに故意の演出だと思います。採石場の爆発する場面でもそうですよ。爆発したあとに拳くらいの石から炎が出ているのが見えました。日曜朝によく見るアレです。
登場人物がどいつもこいつも服ダサいのもなんとかなりませんかね。
やっぱりこの監督は受け付けないかもしれません。設定が重要な作品のはずなのですが。原作未読ですが、原作もこんな感じでしょうか。
長谷川博巳が足を引きずっていた場面は、演技ですか、それとも足に何か細工をしたのですか。演技だとしたら、あんな歩き方ができるものなのでしょうか。気になります。
貶しましたが、ガイドによってヒトは変わっていく様子は要注目です。家族は選ぶことができないけど、妻にすべき人、友人にすべき人は、よくよく選んだほうが良いってことでしょう。