やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「ザ・コンサルタント」鑑賞感想


2017年1月公開
監督:ギャヴィン・オコナー
脚本:ビル・ドゥヴューク
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あらすじ:小さな町の会計士クリスチャンはある日大手企業の財務調査をすることになった。15年分の諸表をわずか2日で調べ上げ重大な不正を発見するが突然調査が打ち切られた。依頼主が死んでいき、彼も命を狙われる。しかし、彼にもまた重大な秘密があった。
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 俺たちのベン・アフレックが今回演じるのは会計士、しかも凄腕の殺し屋です。ただ、それよりもっと大きな秘密が彼にはありました。予告だけ観ていた私はその秘密を開始早々知ることとなります。ああ、そうだったのか、だから天才会計士であり凄腕の殺し屋なんだなというわけでした。
 そのキャラが非常に魅力的なだけに、映画全体の仕上がりが残念です。
 何よりクライマックスで明かされるもうひとつの秘密が後出しジャンケンなのです。それの伏線はないし、無理やりというか映画を製作していくうちに制作陣が「あ、こうしてみたらもっと面白いかも」とやっちゃった感じがありました。
 クリスチャンの正体とその能力の凄まじさを冒頭ですべて片づけてしまって、それ以降はひたすらクリスチャンの無双状態にしてくれたらどれほど良かったことでしょう。
 この映画はあくまでクリスチャンという人間の物語なのでした。そうするなら最後に明かされる秘密をもっと丁寧に伏線を張ってほしかったなあと思うのですよ。だって、あれがこれになりえないでしょうに。ネタバレになるので明かせませんが。あれがこれになるのに、いったい何があったというのか……映画が終わってみるとその点がたいへん気になります。
 続編を簡単に作れそうな気がしますが、そのときはぜひクリスチャンの無敵っぷりを見せてほしいです。
 クリスチャンの人となりを表すのに、寝ている女の子を起こそうとする場面がありました。あの場面はよかったです。あと、老夫婦を助けたあとの手を挙げた姿もよかったです。ゴーンガールでは大悪女にだまされて社会的に抹殺されそうになったり、バットマンになったり、イランで米国人の脱出を助けてみたり、ベン・アフレックだからこそできる面白い役がまた増えました。とにかく今作はキャラがすべてだと思います。