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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「葛城事件」鑑賞感想


2016年6月公開
監督、脚本:赤堀雅秋
撮影:月永雄太
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あらすじ:葛城家の次男:稔に死刑判決が言い渡された。彼が連続無差別殺人事件を起こしたのはなぜなのか。それは父:清に原因があったのではないか。母:伸子と長男:保も葛城家の中で自身を壊していく。死刑囚となった稔と婚姻を結んだ星野順子の関わりを交えながら葛城家の崩壊していく様を追う。
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 観るのがこわい映画でした。案の定、めちゃくちゃ怖かったです。稔と私自身の重なる部分もあり、兄である保も私と同じところがあって、何から何まで頭を抱える嫌な映画でした。さすがに私の父母はまともでして清みたいに狂っていませんが、清という父が本当に嫌な奴でした。怖い映画なのに笑ってしまう場面もけっこうあります。
 さて、この作品は実在の事件が基になっているといわれています。その事件とは附属池田小事件とされています。それでざっと附属池田小事件を調べてみたらたしかによく似ていました。元死刑囚宅間守の生い立ちがそっくりです。
 異なっているのは稔が起こした連続無差別殺人事件の内容、稔の年齢、その程度ですね。宅間家と葛城家もよく似ていると思います。
 宅間守も獄中で死刑に反対する女性と結婚しているそうです。宅間守は女性に対して心を開き感謝の言葉を残したらしいですが、はたして稔はどうなのか……。
 星野順子は人間に対して絶望してはいけない、死刑は絶望している証拠だということで死刑反対のためにがんばっています。そんな星野順子が稔や葛城清と渡り合えるのか、最後まで見物ですよ。
 私は死刑賛成でした。死刑にせざるをえない人間がいると思っていました。ここのところそんな考えが揺らいでいました。ところが、葛城清こそ死ぬべきだと思ってしまったのです。はあ、死刑か……。
 とにかく、この映画はこわい映画です。もう見たくないです。