やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「オデッセイ」鑑賞感想


監督:リドリー・スコット
脚本:ドリュー・ゴダード
原作:アンディ・ウィアー「火星の人」
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あらすじ:火星有人探査が実施された。メリッサ船長(ジェシカ・チャスティン)率いるアレス3の中に植物学者のマーク・トワニー(マット・デイモン)もいた。彼らは大砂嵐に襲われてミッションの放棄を決断した。飛んできたアンテナに直撃されたマークを死んだものと判断してほかの5人が火星を脱出した。ところが、彼は自らの知識を結集して生き残っていた。それは地球のNASAも知るところとなる。マークの救出ミッションが始まった。
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 嘘みたいだろ、これ、火星なんだぜ。
 原作は未読です。
 主人公が前向きだっていうからそれなりに楽しい映画なのかなと思ったら全然そんなことないじゃないですかー! たしかに主人公の精神力は強靭だけど、そんなに楽しく観ていられるもんじゃなかったですよ。ずっと緊張を強いられました。
 インターステラーでは地球からやってきた仲間を引き込んで自分だけ生き残ろうとしたくせに、マット・デイモンてやつはいろいろありますなあ。
 終盤の救出劇は特にハラハラドキドキでした。たまりません。観てらんないです。だって、誰か一人でも死んだらこの物語はもはや何の意味も持たなくなるのですから。いろいろな作品にある、誰かが死ぬことで救われるなんてものはこの映画では通用しません。絶対に全員が助かる必要がありました。きっと全員助かるのだろうけど、でも、本当に助かるのかどうかわからない流れは心臓に悪かったです。歓声が上がったときは目頭が熱くなりました。
 それにしても、宇宙は本当に厳しい世界です。火星も大気があるとはいえ、あんなところは行くもんじゃないですね。なんか常に竜巻が起こってるじゃないですか。
 火星が舞台だと音とか重力とか地球に近いから撮影がしやすいですね。映画などにとっては良いところだと思います。
 火星だから当然なんですが、劇中でマークはほぼ炭水化物しか摂取していませんでした。これは、サバイバルとしては正しいことだと思います。栄養としてはタンパク質も取っておきたいですが、タンパク質の場合は水もいっしょに摂取しないと渇きに苦しむことになります。水が貴重な世界ですから。ただ、これだけの長期間となると炭水化物だけではしんどいですね。じゃがいもはビタミンCもあるけど、タンパク質はわずかです。その証拠にマークの皮膚が無惨でした。
 船などに備わっている非常食は炭水化物と水です。遭難したら肉は水が十分にあるときだけ摂取しましょう。
 中国に助けられてしまうんですね。屈辱的じゃないですか。欧州のESAに助けてもらうことにすればよかったのに。もしくはJAXAとか。インドのISROとか。
 私もちょうどじゃがいもを育てていて、それが先週全滅しました。作物を育てるのは易しくありませんな。どうせじゃがいもだし放置してても大丈夫だろうと思っていて、青々と成長しつつあって安心していたのですが。
 最後に、70億人が待っていたわけではないだろうけど、よくぞ助かってくれました。ありがとうございました。