2015年6月公開
監督:三池崇史
脚本:山口義高
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あらすじ:ヤクザバンパイアの神浦(リリー・フランキー)は曼珠浜という地方の町でヤクザの組を仕切っていた。町の住民を守る神浦は皆から慕われている。ある日、謎の外国人2人組に襲われた神浦は影山(市原隼人)の目の前で無惨に殺害される。神浦の頭部を抱きしめて悲しんだ影山だったが、突然その頭部が「ヤクザヴァンパイアとして生きろ」と叫び影山の首を噛んだ。
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ようやく我が地元での公開です。チケットを買うときに「極楽大戦争1枚」と言ってしまったのはここだけの話です。極楽大作戦じゃないっつうの。
冒頭がリリーフランキーとピエール瀧の戦いですよ。白石監督作「凶悪」ではありませんか。その組み合わせに笑ってしまいました。
渡辺哲とでんでんも出ていますから園子温ムービーの雰囲気まで感じられてしまいます。
まともな映画じゃないんだろうなと思ったら、エンディングへ近づくにつれてめちゃくちゃになっていきました。最後なんか、巨大カエルくんですよ。
みんなどんどん噛まれていってヤクザばかりの世界になっていくのかと思いきやそんなものはどうでもよくなっていきます。それよりも、世界最強のモンスター、世界最強のテロリスト:カエルくんの登場のほうが問題でした。
カエルくんはその名のとおりカエルの着ぐるみをかぶった者でした。人間なのかどうかは最後までわかりません。
そいつがめちゃくちゃ強いです。どこがどういうふうにテロリストなのかはよくわからないまま、一度は影山に倒されたカエルくんは、山よりも巨大なカエルくんとなって現れます。人類の最期のようですね。
最後は、黒い翼を生やした影山が飛び立って巨大カエルくんに向かったところで終わりでした。
果たして、どうなるのでしょうか!
あと、カエルくんというよくわからない存在以外に、カッパも登場します。それもとりあえず置いておくしかないんですけど、最も謎だったのは、神浦組のナンバー2:膳場壮介でした。演じているのは高島礼子です。男みたいな名前ですけど、作中では「あねご」と呼ばれていました。
その膳場なんですが、実は神浦殺害を企んだ側でした。そんなものはどうでもよくて、膳場が途中から突然「ぽたぽた音がする」とか言い出すんですよ。それはどうやら膳場本人の頭の中から聞こえているようでした。やがて、それは膳場の脳が溶けていて、耳から流れ出す始末でした。
なぜそうなったのかわけわからないまま、膳場は死にます。殺されます。
噛まれる前に影山がコップの血を飲んだのはいったい何だったのか、それもよくわかりません。あの血を飲んだということは、自分がヤクザバンパイアだという自覚があったはずで、ところがそんな自覚はなかったのです。
わけわからん映画ですわ。ただ、園子温のリアル鬼ごっことは違うわけわからなさでした。笑って許せるわけわからなさです。とはいえ2時間5分というのは長すぎです。どうでもいい削れる場面がたくさんあると思うのですが。