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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(3D吹替)感想(ネタバレ)


2015年7月公開
監督、脚本:ジョス・ウェドン
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あらすじ:ヒドラの残党がロキの杖を研究していた。その施設をアベンジャーズは急襲して杖を取り戻した。スタークはブルースを説得して他の仲間に秘密でロキの杖を研究して人工知能を生み出そうとした。それは失敗したかに思われたが人工知能はウルトロンとして誕生していた。ウルトロンは自ら体を作り出す。倒しても倒しても次々と新しいウルトロンが生産されていった。ウルトロンはアベンジャーズの全滅を目的としていたが、本当の目的は違っていた。また、ヒドラの研究によって男女の双子が強化人間になっていた。双子はスタークに強い憎悪を抱いている。ウルトロンと双子は結託した。双子によってアベンジャーズは翻弄される。アベンジャーズどうしで戦う羽目になった。果たして、アベンジャーズはウルトロンの目的を阻止できるのか。
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「一歩でも外に出たら君もアベンジャーズだ」
 ヒーローのあるべき姿を示した教科書のような映画かなと思いました。
 まずは結論ですが、正直なところ、いまいちです。
 映画冒頭のヒドラ施設を攻撃したところが最大の見せ場だったと思います。その場面が一番面白いところでした。ヒドラは地球人の集団ですけど、これまで手に入れてきた技術を悪用して戦車やビームの出る銃を開発していました。それを大量に生産してアベンジャーズと戦ったのです。それでもアベンジャーズの圧勝でしたけどね。予告にあったブラック・ウィドウが飛び蹴りをかます場面はこの冒頭の戦闘でした。ただ、飛び蹴りをかましたあとにどうなったかはこの本編でも見せてくれません。
 ヒドラ施設を攻撃したあとは、ひたすらウルトロンとの戦いです。ウルトロンは人工知能です。破壊されても新しい体に乗り移っていきます。スタークが開発したチャッピーみたいなロボット兵士をウルトロンが自分で次から次へと生産して乗り移っていきます。
 繰り返しの戦闘が続くばかりで、だんだん飽きます。
 クライマックスは破壊したヒドラ施設が再び戦場になります。まわりは都市です。ウルトロンはその都市ごと空中に浮かせていずれはそれを地上に叩き落とし、周囲もろとも破壊しようとしました。都市ですから大勢の市民がいます。
 アベンジャーズは、味方になった双子と協力して市民を避難させつつ、次から次へと沸いてくるウルトロンと戦うのでした。
 今作は、市民を救う場面が多すぎます。韓国ソウルでも暴走した列車を救いました。
 こんな場面はアイアンマン3でも飛行機から落ちた13人を救うという形でありました。アイアンマン3の救出場面は、調子のよくないアイアンマンが地上に向かって落下していく13人全員を果たして救えるのかどうか、ドキドキの場面でした。無事全員救出して、そのあとは「アイアンマンありがとう!」の合唱でした。
 そういう緊張する場面は今回はありません。
 ウルトロンに攻撃されつつ、市民を助け出すことができるのかどうか、どうなるのかな、大丈夫かなと思わせる場面のはずなのに、いまいちその緊張感がありません。
 ヒドラ施設のあった都市の市民はアベンジャーズを憎んでいる場面がありました。それがクライマックスではアベンジャーズによって救われたにもかかわらず「ありがとう」というかアベンジャーズは正義の味方だね!というものがありませんでした。
 空に浮かんだ都市は最終的には爆発四散しました。大量の破片が地上の都市周辺に降り注ぐはずなのですが、なぜか海か湖に落ちていました。なぜだろう。
 アベンジャーズの面々は双子の女のほうに脳内をいじくりまわされて、悪夢を見ます。その悪夢によって満足に戦うことができなくなります。
 それぞれが見た悪夢は現実になるのか、それとも過去にそんなことがあったのか。スタークの悪夢はアベンジャーズがスタークを遺して全滅するもので、ナターシャの悪夢は過去に受けた訓練の情景でした。ソーはパーティのような場面で力が暴走してまわりを殺してしまうというものでした。
 それらの悪夢は、ナターシャなら過去ですから乗り越えなければならないものです。しかし、そんな場面がないままクライマックスで激しく戦っていました。スタークの悪夢も、スタークのせいで皆が死んでしまうらしいのですがそんなことになりそうな場面もありません。ソーの場合は悪夢がいったい何だったのかよくわからないままです。もちろんその悪夢が何かを調べる場面はありました。
 いろいろとよくわからないことが多い状態でこの映画は進んでいくのでした。
 それにしても、ようやくホークアイが活躍しました。ホークアイ主演の映画だと言ってもいいでしょう。妻子持ちであることが発覚したし、危機に陥ったアベンジャーズをかくまったし、双子に翻弄されることもなく大活躍です。
 社長と神様の彼女自慢対決は笑いました。神様は、クライマックスで何か言おうとして途中でカットされているのも笑いました。「だから――」その続きは何だったのでしょう。
 社長が着ていたDJをやっているブルースリーのTシャツは気になります。検索したらすぐ出てきましたけど。
 今作はジャーヴィスがついに新ヒーロー:ヴィジョンとしてアベンジャーズに加わりました。その登場シーンは良かったですよ。
 そのヴィジョンと、双子の妹のほうであるスカーレット、キャプテンアメリカで出たファルコン、ローズ大佐の4人が映画の最後で新加入です。社長が退場しそうな感じですが、キャプテンとナターシャはこの新しいメンバーを加えたアベンジャーズを率いていく気は満々のようですね。
 さて、今後は来年キャプテン・アメリカ/シヴィル・ウォー公開、2017年マイティ・ソー公開、2018年にアベンジャーズ3作目の前編公開となります。
 先は長いですな。
 文句を並べてしまいましたが、最後に「自由ってやつは〜」を歌います。さようなら。