やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「レッド・ファミリー」感想


2013年韓国
監督:イ・ジュヒョン
製作総指揮・原案・脚本:キム・ギドク
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あらすじ:誰もがうらやむ理想の家族の正体は、母国からの密命を遂行するために韓国に潜入している北朝鮮工作員チーム、ツツジ班だった。表では仲むつまじい4人家族だが、玄関のドアを閉めると階級を重んじ、母国の命令を順守するスパイ集団となる。何かと押し掛けてくる隣人一家を資本主義の隷属者と見下しながらも彼らに憧れを抱き、互いの階級を忘れて家族的な絆を育むようになる。そんな中、メンバーの一人が母国に残した妻が脱北に失敗して捕まったことがわかった。
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 こちらでようやく公開となりました。
 笑えるよ、コメディだよと聞いていましたけど、全然そんなことないじゃないですか!!! 国境付近の撮影は禁止されているけど、それをごまかしつつカメラを使う……笑えなかったですわ。
 何だろう、どうしたんだろう、私。笑っていいはずなのに。
 あまりのシリアスな物語に終始涙目でした。
 次から次へと暗殺指令が党から下るわけですよ。赤ちゃんまで殺すんですよ。それはそれとして、南北の違いに翻弄されるツツジ班が不憫なのです。南の皆さんに影響を受けつつある工作員、それはツツジ班だけではないですよ。町工場のおっちゃんだってそうですよ。ツツジ班を監視している4人の男たちもそうですよ。全員が不憫です。
 こんな苦しみって、あるのかよ。
 笑えません。
 お互いを敬えばけんかはしない。そんなメッセージを出してきたこの作品ですが、正直それは難しいです。それができれば苦労しないよね。結局話の通じない相手もいるわけですし。
 ひとつだけ言えるのは、お隣の奥さんだけは暗殺すべきでした。あの奥さんだけは許さんぞ! あんな人はどうやっても敬えません。
 資本主義マンセー!(ただし民主主義の下での資本主義です。)(15)