http://d.hatena.ne.jp/uraomotenoraneko/20140825/1408966439
↑その1
8月16日午後。
そんなこんなで14時ごろ、国道108号南下途中にある秋の宮温泉郷へ。旅館を予約しています。あまりにも早く着いてしまって、温泉周辺をぶらぶらしました。そしたら商店の自販機で350ミリ缶の綾鷹を見つけてテンション上がりました。ペットボトルじゃない綾鷹もあるんですね。知らんかったです。しかもこの自販機はすべて100円です。秋の宮へ来たら探してみてください。
さて、16時近くになって予約済の旅館に行きました。湯治客向けの旅館なので宿代はかなり安いです。
2階の部屋に案内されると入り口にのれんがかかっていました。どの部屋の入り口もそういうふうになっています。開け放たれています。まさか、ドアがないのか。
心配しましたが、よく見たら当然鍵のかかるドアがついていて、それが開け放たれているだけでした。
窓からは川のせせらぎですよ。良いですね。20室くらいはありそうで、小さくはないです。
ゆっくりしました。はあ、今夜のごはんはどうしようかな。秋の宮での夜ごはんは何か食堂とかあるに違いないと思っていました。
スマホで調べてみると、夕方にはほぼ閉まってしまうようでした。夜以降で開いているのは1件。ただ、予約のみ。
ダメだー。素泊まりにしてあるし、今更ごはんをお願いするのは気が引けるー。
予約が必要という食堂にダメでもともと、電話をしてみました。すると、ちょっと笑われたものの、受け付けてくれました。「きのこ屋」というからにはきのこ料理中心なのでしょう、そうでもないなあ。ヤマメのかば焼きなども出すみたいです。
電話で何があるのか話しているうちに、店員さんから耳を疑う言葉が出てきました。
「今夜はクマがありますよ」
「クマ!? クマですか!?」
本当に二度聞きしました。
「嫌ですか。そうですよね」
「嫌じゃないです、嫌じゃないです。ぜひお願いします」
こんなやり取りをして、18時に行く約束をして、私は温泉に入りました。
秋の宮温泉郷は小さな旅館がいくつも集まるところで、旅館それぞれが源泉を持つようです。私が泊まっているところの場合は無色透明でにおいはたぶんありませんでした。源泉かけ流しは間違いございません。チェックさせていただきました。
18時が来るまでゆっくりして、きのこ屋へ行きました。
客は私だけです。もしや、私だけのために今夜は開けてくださっているのでしょうか。ますますごめんなさい。
おばちゃんに快く迎えられました。まずは急な予約になったことを謝りました。急な予約といえばこの旅で最初に泊めてもらった先輩にも急になったことを謝っています。
コンロがあって、その上には鍋ですよ。これがまさかのクマですか。クマは誰かのみやげで缶詰を食べたことがあります。
沸いてくるのを待ちつつ、ほかの料理に手をつけました。あらゆる種類の山菜ときのこもあります。白飯でそれらをいただきます。徳島だとたぶんスグキというものがありまして、歯ごたえのないイメージだったのですが、ここではシャキシャキしていました。
食べている間ずっと料理それぞれを説明してくれました。写真をファイルしてあって、それと料理の材料を照らし合わせてくれたり。こっちからもいろいろ質問していたら「何か食品関係のお仕事ですか」と聞かれましたが、違います。
さて、いよいよクマでございます。味噌鍋でございます。味付けが味噌なら間違いございません! 味付けが味噌なら絶対おいしい!
クマでございますが、その前に白ネギをいただきつつ、クマを様子見です。骨付きです。これはすごい。いわゆる漫画肉ですよ。それの小さいバージョンです。
むしゃぶりつきました。独特の味がする! カンガルーを食べたことがあるのですが、それに近いです。肉全体からレバーをかなり弱くした味がします。肉質は牛が近いかな。
しかも柔らかいです。
本当はクマ肉は臭くて硬いそうです。ただ、長時間処理をしたらこのようににおいがなくなって柔らかくなるそうです。肉は何でもそうですよね。牛の赤身でも手間をかけたら柔らかくなります。
とにかく、クマはうまいっ! くまいっ! がおーっ。
そのあと、うちの母親の話もしたりして、だいぶ年いってますけどねと言ったら、おばちゃんのほうが年上で驚きました。お世辞じゃなくて本当に若く見えます。こんな肉とか食ってるからですかと聞いたら、おばちゃんの家族はクマなどを食べないそうです。
マタギをやっていらっしゃるそうですが、自分で獲った動物はなんだかかわいそうで自分では食べられないそうで……。でも、お客さんにはクマその他諸々を食べてほしいそうです。今夜も予約してくれたことをうれしく思うそうです。
それを聞いてちょっと複雑な気分になりました。
そのあと、何やら気に入ってくださったのか、さらにきのこの料理を4種類出してくれました。いやいや、すみません。
このきのこがシャキシャキしていたり、独特の味がしたり、面白いんですよ。
最後はトマトのシロップ蒸しをいただきました。煮込みじゃなくて蒸しだそうです。形がきれいですわ。
大満足して、店を出ました。
そのあとはすぐ寝ました。
↑秋の宮温泉のどこかにある100円自販機
↑旅館の部屋
↑きのこ屋にて、きのこや山菜など
↑クマ