やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

312.「ほんとにあった! 呪いのビデオ55」を観た感想(ややネタバレ)

2013年11月23日〜29日、渋谷のユーロスペースにて上映
演出:岩澤宏樹
製作:張江肇、鈴木ワタル
プロデューサー:宮田生哉、沢田慶
演出補:菊池宣秀、川居尚美、阿草祐巳、井ノ上謙介、中山美奈、押木大輔
音楽・音響効果:ボン、飯田源太郎
構成・編集:岩澤宏樹、菊池宣秀
ナレーション:中村義洋

 投稿者・葛城さんは、その映像が撮影されたときの様子を現場で語った。撮影していたのは内村さん(仮名)で、携帯電話を使って動画を撮っていたが突然走り出したという。探したが、見つけることができなかった。その後、動画が電子メールに添付されて葛城さんのもとに届いたという。
 その動画には、不気味な女性が映っていた。

「呪いのビデオ製作委員会は1999年の発足以来不可解な映像を一般の方々から募集し調査検証を行ってきた。『ほんとにあった!呪いのビデオ』とは一般視聴者から送られてきた心霊映像とその調査の過程を収めたドキュメントシリーズである。
 ……今回のほん呪55は上記のテロップが最初に流れました。いつもと違うわけです。
 2013年の「やくもとうずしおをがっつりと」ブログ方針として、鑑賞した劇場公開作品についてすべて感想を述べていくことにしていました。ということは、この「ほん呪55」も劇場公開作品であり、観たのであればこのブログに感想を書かなければいけません、ということになります。
 さて、私が「ほんとにあった!呪いのビデオ」略してほん呪と出会ったのは、おそらく5年前くらいのことです。第二の故郷島根に帰ったとき、先輩の自宅に泊めさせてもらったのですが、その夜、先輩とほん呪を観ました。自宅に行ったときそのビデオが既にレンタルされていた状態です。
 先輩は私に「ほん呪面白いから、たくさん出てるからぜひ観て」と勧めてきました。それから自宅に戻って、少しずつ観ていくようになりました。
 先輩は「ほん呪」を、作中に出てくるほん呪製作委員会スタッフの岩澤などの取材が面白いから観てね、という勧め方をしてきました。オカルトには興味のない方でしたからね。
 ただ、私はオカルトに興味があるというか、オカルト番組を観るのが好きでした。そのため、ほん呪の私の見方は、本物ぽい映像で怖がることだったのです。
 ただ、ほん呪は山ほど出ていますし、それを観ていたら慣れてしまいます。ホラー映画を観てもびっくりするけど怖いと感じることはなくなりました。ただびっくりするだけです。怖いものが観たくてしかたないのに、多くの作品を観ることで慣れてしまうという状況に陥りました。
 そんなとき、某TBSラジオの某番組ウィークエンドシャッフルの特集コーナーサタデーナイトラボで「ほんとにあった!呪いのビデオ」が特集されたのです。ほん呪55が劇場公開されたタイミングと偶然合ったのでした。
 やはり、その特集で語られたほん呪の楽しみ方は先輩の言っていた岩澤たちのキャラなどを含めた制作陣の取材やドキュメンタリーの部分を観るというものでした。そういう見方をすべきものなんだなあと思いました。
 それで、さっそくほんとにあった!呪いのビデオ55を鑑賞することにしたのです。

 これまでのほん呪とは違って、55は8つの動画が出てきます。うちひとつはいつものシリーズ監視カメラですがほん呪製作委員会のドアの外を撮影しただけのものです。とはいえ、その8つすべてがひとつの結末に至るという、まさに物語となっていました。このような構成にびっくりです。
 ちなみに、ほん呪54まで観ておかないとわからない部分はありませんのでご安心ください。
 それに、何より、劇中の登場人物もなかなかええ感じです。
 『悪戯電話』を投稿した柿崎さんです。製作委員会が取材してインタビューするときの相手は誰もかれも話しにくい感じを醸し出していて言葉につまるのが普通でした。ところがこの柿崎さん(珍しく仮名ではない)は、すらすらしゃべるのです。しっかりした女性でして、珍しいキャラでした。
 さらに、『悪人』で取材班はついに牧場の廃墟へ行きました。廃墟から出て帰るときにおじさんと出会います。そのおじさんがすんごくいいキャラをしています。田舎のチョイ悪という感じでして、柿崎さん同様にすらすらしゃべります。取材陣にタバコを要求するし、2本目も要求するし、「ないんかい!」に笑いました。そんなおじさんの語った牧場の娘が焼身自殺したという話に対して岩澤は「それはただの噂じゃないんですか」と詰め寄るように問いただすのでした。サタデーナイトラボでもこのときの岩澤の問いただしに触れています。
 私が気になっているのは、55に限らず、撮影された場所がどこなのかという点です。55の最初の『銅像』は川口駅西口ということですが、牧場がどこなのかな。インタビューしたおばちゃんの方言とタバコを要求したおじさんの方言から推測できると思われるのです。ただ、おばちゃんとおじさんの方言がだいぶ違う気がするわけですよ。方言について全然詳しくないので確証はまったくありませんが。おじさんだけの方言に注目すると、三重か岐阜、北勢から西濃という感じがします。どうでしょうか。
 演出補川居さんも製作委員会スタッフぶりが板についてきました。岩澤さんは相変わらずスタッフや投稿者に対して厳しく当たるときがありますし。投稿者にインタビューするときもサングラスを頭に載せているのは失礼にあたると思うのでやめてほしいですけど。井ノ上、阿草という比較的新しいキャラもいます。今が一番熱い時期なのかもしれません。これからもほん呪を注視し続けたいです。
 とにかく、55は映画仕立てになっています。これまでとは違う楽しみ方ができるのは間違いありません。音がでかい部分もあります。女性の絶叫など。それもまた劇場公開するからこそなのでしょう。あとは、みんなが知ってる、2013年に起きた事件と絡めた部分もありますし。

 製作委員会が取材することにした動画ですけど、だいたい首都圏ではないでしょうか。たとえば、48から始まる「まかるがえし」シリーズで取材したトンネルや廃墟の位置は伊豆半島の某所であることを特定しました。どんなに遠くても伊豆半島まで。
 これまで九州や北海道まで取材しに行ったことがあったのでしょうか。ヤラセなんだからそんな遠方まで取材するお話にしちゃったら経費が大きくなるだろというツッコミはやめていただきたいですけど。
 あ、でも、いつだったか、心霊博士シリーズのときに愛知まで行ってた気がします。
 そのうち、羽田から飛んで取材の風景が降りた空港ターミナルの前で始まるという場面も期待しています。先に入っていたスタッフがレンタカーを用意していて、ターミナルから出てきた岩澤を迎える、とか。
 それではここで、私が一番怖いと思った動画をご紹介します。それはほん呪25に載っている「不気味な女」です。
 新しく引っ越してきたアパートの中を携帯電話を使って撮影しているものです。タイトルどおりのものが映ってしまったというのはご覧くださればお分かりいただけることと思います。それだけではないのですがね。
 初めて観たときは声が出ました。ほん呪を観るときはいつも夜を待って、明かりを消しています。少しでも怖がることができるように。このときもそうしていました。不気味な女が出たときは叫びました。ほん呪シリーズで初めて観たのは24でした。その次に観たので、なおさら衝撃が大きくなりました。あまり耐性がなかった頃だったのです。
 ちなみに、この動画はほかの方も怖かったようでして、WEB上で「不気味な女」を検索したらけっこうヒットします。
 それではまたいずれ、劇場公開されることを待って、そのときはここで同じように感想を申し上げることができたらいいなと思います。
また、怖い動画で叫ぶことができますように。あと、本物の動画が投稿されてきますように。