やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

2013年鑑賞映画感想/大いなる西部/アフリカの女王/禁じられた遊び

199.大いなる西部
 1958年アメリカ。ウィリアム・ワイラー監督。グレゴリー・ペック主演。
 テキサスのある町に、地元の有力者テリル少佐の娘パットと結婚するために東部からマッケイ(グレゴリー・ペック)がやってくる。しかし、そこでは水源地をめぐって地元の2大勢力であるテリル家とヘネシー家が激しく対立しており、マッケイも巻き込まれた。パットに想いを寄せるテリルの牧場の牧童頭リーチや水源地を祖父から引き継いでいる学校教師ジュリー、ジュリーと結婚して水源地を手に入れようとするヘネシーの息子が絡んでいた。マッケイはこの状況を打開しようとする。

 マッケイが荒くれ者ばかりの西部の人間たちとは対照的に知的で落ち着いた男なんですが、そのマッケイが争いをどうにかしようと奔走します。
 牧童たちに暴力を振るわれても仕返しせずに耐えるマッケイ、誰も乗れないような荒馬にこっそりと練習して乗れるようになるが乗れたことすら隠してしまうマッケイ、それが弱腰にしか見えなくて嫌気がさすパット……パットもマッケイも面倒くさい人間だなと思いました。
 最終的な解決のしかたは鮮やかに収めるのかと思いきや意外と残念なことになります。マッケイをもっと敏腕な男にして全部を丸く収めてしまう映画にしてしまえば誰しもが惚れるヒーロー誕生の物語になっていたかもしれませんけど。
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200.アフリカの女王
 1951年製作、ジョン・ヒューストン監督。1914年第一次大戦が勃発した。コンゴにもドイツ軍がやってくる。チャーリー(ハンフリー・ボガード)が兄を亡くして独りになったオルメット(キャサリン・ヘプバーン)を彼の船『アフリカの女王』号に乗せるが……。

 女がマジで腹立ってくるんですけど。助けてもらっておきながらその上チャーリーに無理難題を押し付けてばかりです。少しはお返ししろよ。虫にたかられて喚く場面もアフリカにそれなりの時間住んでいたにもかかわらずそのザマかよ、と。この女には本当に腹立ちました。
 ハンフリー・ボガートってこんな演技もできるんですね。この作品でアカデミー主演男優賞受賞しています。
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201.禁じられた遊び
 1952年フランス。ルネ・クレマン監督。後の外国映画賞にあたるアカデミー名誉賞などを受賞している。『愛のロマンス』というギターによる音楽が有名。
 1940年6月の南フランスの田舎。ナチスドイツ軍の侵攻で両親を失い、さまよっていた5歳の少女ポレットは少年ミシェルと出会い彼の家に連れていってもらう。ポレットのために死んだ子犬の墓を作るミシェルから、死んだものは葬るものなのだと教わったポレットはミシェルといっしょに次々とお墓造りをする。しかし、そのお墓に使った十字架はミシェルがポレットのために盗んだものだった。

 もっと悲しくて悲しくて泣けるような映画なのかと思いきやちょっとコメディの要素も感じてしまったのですが。
 戦争が招いた悲劇というよりも、まだ善悪の判断がつかない子供やいがみ合う家と家の関係が主な物語になってくるわけですね。
 さすがにミシェルの罪はでかいと思いますし、ミシェルくらいの年齢ならけっこう悪いことをしたなあという自覚があったはずで、なかったとしたらもうダメでしょう。ポレットのためにやったという言い訳は通じません。あと、約束を破ったオトナたちが汚いです。