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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画『Ted テッド』(字幕)を観た感想


概要・あらすじ
 セス・マクファーレン監督・脚本、長編初作品。1985年のボストン。ジョン少年はテディベアのテッドをかわいがる。自由におしゃべりをできる親友にしてほしいと願ったが、なんとそれが叶った。2012年になってもテッドとジョン(マーク・ウォールバーグ)は親友だ。そんなジョンも交際4年目のロリー(ミラ・キュニス)がいた。テッドの声はセス・マクファーレンが担当している。
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 テッドとジョンの出会いではちょっと泣いてしまいました。泣くところなんてないんですけどね。とにかく感動したのです。
 テッドとジョンはいろいろな映画を観て育ったという設定です。さらには、ジョンとロリーが2人で初めて観た映画が007シリーズのオクトパシーとか、このあたりもちょうど007シリーズにはまっていた私に直撃のネタで、めっちゃ楽しめました。
 テッドのはからいで野外音楽堂でオクトパシーの主題歌を歌うジョンの場面が最高です。
 さらには、テッドがジョンの携帯電話にかけたとき着信メロディがナイトライダーなんですよ。なるほど、そういうネタで来たか。ニヤリとしますよね。
 さらにさらに、全編にわたって繰り広げられるフラッシュゴードンへの愛ですよ。フラッシュゴードンを演じたサム・ジョーンズが本人役として出てきてめちゃくちゃ暴れます。コカインまでやっちゃって、大丈夫なんですかと心配になるほどです。
 そう、薬物を摂取する場面がやたらと多いですが、薬物が原因で何か事件が起こるとか困ったことになるような場面がありません。ううん、それがなぜ問題にならなかったのか、気になります。
 ジョンにはけっこう感情移入しました。サム・ジョーンズに会えると聞かされたら彼女なんか放置するのもしかたないですってば。そこをロリーには理解していただきたかったです。
 あと、ジョンとテッドが親友を超えた関係であるのはロリーも承知の上だったのだから、テッドの蛮行に対して、放り出すのではなくて矯正する方向に持っていってほしかったです。あ、すみませんね、ロリーに何かしてほしいという意見ばかりで。
 ただ、ジョンがロリーと別れてしまうような事態に陥ったことをテッドのせいにしたのは許せません。そこは、ジョンの大いに反省すべき点です。
 さて、気になる点としては。
 ジョンが何もしていません。ジョンとロリーの切れた仲をつなぎ留めようとしたのはテッドです。テッドを連れ去った親子の車を追いかけるのはロリーが運転する車です。身体が真っ二つになったテッドを縫って直したのもロリーです。魔法が解けてただのぬいぐるみになったテッドを、また元どおりになってくれるように願ったのもロリーです。おいおい、ジョンは何をしているんだい。この点がたいへん不満です。縫うのと願うのをジョンがやってくれていたらなあ。
 テッドが日頃の蛮行の償いとして、ジョンとロリーを仲直りさせたのはいいとします。ただ、テッドを救う役目をジョンに担ってほしかったです。
 とはいえ、ロリーはええ子やね。仕事もできますし。ジョンの趣味にもうちょっと理解を示してほしいけど、まあ、しゃあないです。ロリーを放り出して、サム・ジョーンズに会いに行ったのは仕方ないですよ。誰だって同じことをしますよ。というわけで、テッドはおすすめです。(83)