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ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「トータルリコール」を観てきた感想(ネタバレ)


あらすじ:簡単に記憶を金で手に入れることができるようになった近未来。世界規模の化学戦争によって居住可能な地域が欧州とオーストラリアに限定されていた。欧州はブリテン連邦、オーストラリアはコロニーと呼ばれている。富裕層の集まるブリテン連邦と労働者が集まるコロニーはフォールと呼ばれる地球の地殻を貫く巨大な乗り物によってつながれていた。わずか17分で移動でき、コロニーの労働者はブリテン連邦へ通勤している。
 ある日、工場で働くダグラス(コリンファレル)は、記憶を買うためにリコール社へ出向く。ところが、彼はいきなり連邦警察から攻撃されてしまう。そして自分の知り得なかった戦闘能力に気づき、困惑しながらも家に帰り、妻(ケイトベッキンセール)に事情を話すと襲われた。

 世間が休みのときに映画館へ行ったのは正月以来です。チケット売り場は混雑していましたが、トータルリコールはガラガラでした。
 さて、作品ですが、単なるアクション映画かなあと思います。おっぱいが3つある女性、入国審査での変装などは笑えます。入国審査のときコリンファレルが変装しますが、彼の前にいる女性がシュワ版トータルリコールの火星入国審査のときのシュワの変装にそっくりでした。この2作品は22年も空いているので同じ女性のはずはないと思いますが、どうなのでしょう。
 今回は、舞台が地球に限定されています。ただ、シュワ版の火星と同じように居住できる空間が限られているというのは同じでしょう。それにしても欧州とオーストラリアをフォールという無茶な乗り物でつないでいるのはどうかと思います。あまりにも現実味がありません。何しろ地球の地殻を貫通しているのですから。地底超特急みたいなものですが、それが地殻を通過するのですよ。この巨大なトンネルをどうやって建設したのでしょう。
 シュワ版のように、最後はコリンファレルが化学戦争によって汚染された多くの地域を住めるようにするのかなと思いました。でも、フォールを破壊して欧州とオーストラリアの行き来ができなくなるだけです。
 欧州側はオーストラリアの武力支配を企んでいます。コリンファレルは欧州で最もえらい人の部下だったのですが記憶を自ら消して欧州に反抗するレジスタンスに協力します。欧州はフォールに大量のロボット歩兵シンセティックを乗せてオーストラリアに攻め込みます。コリンファレルがフォールごと破壊して武力支配を阻止しますが、フォールを破壊してしまうと労働者が欧州へ出稼ぎに行けなくなると思うのですよねえ。どうするのかなあ、このあとの彼らの生活を。
 裕福な欧州と労働者のオーストラリアという対立もいまいちよく見えてこないですし。
 ちなみに、作品の最後で、これらのアクションなどはすべてリコール社が提供した夢だったかもしれないという終わり方にはなっていません。
 コリンファレルの妻ケイトベッキンセールはコリンファレルの殺害に全力を投入します。でも、途中でなぜか殺さない場面がありました。コリンファレルが欧州にあるアパートを出ようとしたら警察に囲まれています。どうしようもなく大ピンチで、その警察を指揮するケイトベッキンセールもコリンファレルを殺そうと思えば簡単にできた場面だったのですが。
 お話に穴がある作品ですよ。
 今回のトータルリコールは何よりケイトベッキンセールです。コリンファレルと行動を共にする女性がケイトベッキンセールのことを鬼嫁と呼びますが、まさにそのとおりです。
 コリンファレルは元夫、元というより偽りの夫だったのですが、彼を殺害するために周りにいる市民すら巻き添えにしてしまいます。別れた相手を執拗に追い回して破滅に追い込もうとするその姿が見ものですよ。
鬼嫁の暴走がおすすめですのでぜひご覧ください。