やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「TIME/タイム」を観てきた感想(ネタバレ)


ネタバレを含むあらすじ:未来では人類の成長が25歳で止まる。25歳を迎えた人々は『時間』を通貨としている。働いたら時間が与えられ、また、必要なものを買うときは時間を奪われる。時間がゼロになれば死しかない。貧しい人々が持つ時間は24時間もない。まさにその日暮らしをしている。そんな中、100年以上の時間を持つ富豪と出会った貧しいウィルは、その富豪から時間を譲られる。さらに、余りある時間を持つ富豪と貧民の間にある時間の差の謎を聞かされる。増えすぎた人間の数を調整するために物価を上げて貧民から次々と時間を奪っているのだという。そこでウィルは富豪たちから時間を奪って貧民たちに分け与えることを決意する。行動を起こしたウィルは富豪の娘シルビアと出会う。時間監視者から追われることとなったウィルはシルビアを誘拐し、シルビアはやがてウィルと行動を共にするようになった。さらに、二人は時間が大量に預けられている銀行を襲って、その時間を貧民たちにばらまくのだった。

 あまり面白くなかったというのが正直なところです。
 設定に無理があるように思われて、作品にのめりこむことができませんでした。
 ウィルとシルビアのたった二人で銀行を次々と襲いますけど、協力者がいない状態で、いくらなんでも連続して襲撃することは不可能だと思いますし。一応、二人のことを匿ってくれる人はいるんですけどね。
 時間に追われる貧民のドキドキ感があるのは良いところでしょう。
 さて、映像の美しさですが。未来世界の描き方は「リベリオン」や「時計じかけのオレンジ」にあるようなモノトーンです。ただ、富裕層のほうがモノトーンに描かれていて、逆に貧民層のほうがカラフルだったりします。時間に余裕がない貧民層がカラフルというのは少しおかしな感じではありますが。富裕層と貧民層の色調が逆で、貧民層がカラフルになっていくという流れがあればもう少し面白くなったかもしれません。
 25歳で成長が止まるという設定です。そのため、子供以外は若者ばかりです。もちろん見た目が若いというだけで、富裕層は実は百才だったりします。中には老け顔で25歳に見えない人もいましたが。とにかく、老化のない世界はこんな感じになるんだなということはわかりました。
 設定は面白そうなのに、いまいち乗れない映画です。ウィルとシルビアは泥棒をするばかりですし。何かもっと違う時間の奪い方があればよかったんですが。あと、シルビアの父親は大富豪ですけど、その背後に世界を操っていそうな巨大な権力がありそうでした。それは一瞬シルビアの父親が電話で話しただけで、映画の結末に出てきたりしませんでした。あれはいったい何だったのでしょう。気になるところです。
 何か、時間=通貨という設定をもっと面白くできないものでしょうか。残念な映画だと思います。