映画「けいおん!」劇中歌アルバム放課後ティータイム in MOVIE
- アーティスト: VARIOUS ARTISTS
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2012/01/18
- メディア: CD
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以下、がっつりとネタバレしたあらすじです。
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映画はまず、唯の起床から始まる。
平沢唯(声:豊崎愛生)、秋山澪(日笠陽子)、田井中律(佐藤聡美)、琴吹紬(寿美菜子)の4人は、卒業を控えていた。彼女たちは、桜が丘高校軽音部の4人でもある。
彼女たちの活動といえば部室でお茶をしたり、バンドの方向性を話し合ったりと、いつも通り
のゆったりとした時間を過ごしていた。そんなある日、教室で同級生たちが卒業旅行を計画していることを知る。そこで、自分たちも卒業旅行に行くことを計画する。しかも、後輩の中野梓(竹達彩奈)までもが、一緒に旅行に参加することになった。スッポンモドキの選択により、行先はロンドンということになる。旅行の計画は、5人の希望を合わせつつ、後輩の中野梓がした。
一方で、先輩である唯たち4人はたった一人の後輩のためにプレゼントをしようと、いろいろ考えることになった。しかし、そのプレゼントが何になるのかはなかなか決まらない。
ロンドンでの滞在は3泊5日だ。初日はホテルを間違えるという失敗をした。食事では、ロンドンであるにもかかわらず偶然見つけた回転寿司へ行った。だが、その店で彼女たちは日本から来た別のガールズバンドと間違えられて演奏する羽目になる。結局、演奏だけをして寿司は食べていない。
ホテルでは、梓が寝ている間に先輩たちで集まってプレゼントを考える。そこで、音楽を作ってプレゼントをすることになった。それぞれが歌詞を考えていく。
寿司屋で本来演奏するはずだったガールズバンドの伝手で、彼女たちはロンドンで偶然開催されている日本のポップカルチャーを紹介するイベントに参加することになった。帰国するための飛行機が出発するギリギリの時間まで演奏をした。その場には、担任の先生も登場することとなる。
飛行機には無事間に合い、帰国した。
ロンドンで演奏したことが学校に広まっている。しかし、卒業式の日に演奏するという発想はなく、急きょライブを開催することとなった。同級生の前で、教室でライブが開かれた。
最後、部室で、唯たちは梓へ完成したプレゼントの曲を披露した。
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すみませんが、このあともネタバレはちょくちょくありますので注意してください。
あいかわらずのけいおんでした。一応、アニメは一期も二期も観ています。
私が行ったのは、平日昼間だったのですが、こんなに混んでるのは初めてでした。それでも、私語や物音はなく、環境は良かったです。なかなかないことです。どうせ同じ人が何度も何度も足を運んでいるんでしょう? 私は、チケットを購入するときに渡されそうになったけいおんのキャンペーンの紙は断りました。あれがたまったらグッズがもらえるのでしょうけど。
さて、感想の本題ですが。映画でも何でもいいですが、朝起きる場面から始めるのは観客を引き込むための導入に失敗していると思います。こういうところからも、あくまでけいおんという漫画、アニメを好きな人たちのための映画なのだということが分かります。
そのあと、メタルを演奏していて、思いのほか驚きましたが、ふたを開けたらラジカセでメタルを流してそれに合わせて演奏しているごっこ遊びでしかなかったのです。音楽性の違いについて討論してみたり。このあたりがちゃんちゃらおかしいですわ。紬の「ちゃんちゃらおかしい」というセリフはそっくりそのままお返ししますけど。この空気が許せないです。
でも、まあ、さすがに作画はよく動くし、さすがの京アニです。
アニメの一期はこんなんじゃなかったと思うのですがねえ。登場人物に成長はあったと思うし、何かに向けて努力するという場面があったように思います。それが二期になると全然なかったし、登場人物が甘やかされています。映画でもそうじゃないですか。たなぼたで、寿司屋で演奏したり、イベントに参加させてもらえたり。いくらなんでもそんなのは甘やかしすぎです。何の努力もないではありませんか。こんな内容のふわふわしたもんを映画館で映画として流すべきではないのではないでしょうか。四コマ漫画だからこそ良かったのであって、アニメも5分アニメという形が最良ではなかったですか。
紅茶の飲んだ数でバンドの名を命張って表しているなんて、愚かですわ。
そもそも、気になるのはロンドンまでの旅費です。見る前から、その点は気になっていました。そしたら、旅費についてはまったく触れられませんでした。それはいくらなんでもおかしいでしょう。テレビのほうでは、ギターを買うために努力したはずです。
イギリスの音楽なんてもう古いのではないでしょうか。POPとかそのあたりは、アメリカや日本が優位に立っているような気がしますし、そんなときにロンドンというのは、どうなんでしょうか。
それに、それぞれの人物の行動に意味がないし、行動の前後関係もありません。オカルト研が登場したり、出来事が唐突です。伏線くらいあってもよかったのではないですか。あずさを帰らせてプレゼントを考えるのも唐突です。何もかもが唐突です。ロンドンに着いて梓が新しい靴をはいてきたために足が痛いというのも唐突で、そのあと新しい靴購入の話もさらっと流していましたし。足の痛いという話はどうなったのやら。
唐突だ、という話については、ギャグのオンパレード、唯のボケの連続だからこそということも唐突になる要因のひとつかと思います。
まあ、そんなところで驚いたのは、平沢の親が出たところでした。とうとう出しましたね。
ところで、航空機の描写はテキトーではなかったです。777-300というのがよくわかりました。機内の座席配列が正しいですし。日本航空の協賛があったみたいですが。さて、そんな機内でケータイを律がさわっていたような気がしますが、あれは座席についているリモコンだったかもしれません。機内での携帯電話の使用は厳禁です。
2時間は長いです。
イベントでの演奏のとき、省略していたのは、ちゃんと見せるべきだったと思います。とはいえ、何の腕も評価もないこのバンドがロンドンで演奏できることに違和感がありますけど。
帰りのタクシーは行きの運ちゃんががんばってくれるべきだったと思いますよ。帰りは、飛行機の出発が迫っていたわけですから。往きの運ちゃんはなかなかの飛ばし屋だったですし。何かの伏線になるのかと思いきや、帰りのタクシーは何事もなかったですし。
ロンドンでの演奏できたことを彼女たちにもっと感動してもらいたかったです。ほとんど感動した、とても貴重な経験をした、というのが伝わってきませんでした。
卒業式の日、教室での演奏もしょせんは内輪ですし。仲間の中で、知っているどうしで楽しめたらそれで良いという空気が気に入りません。まあ、それでこそのけいおんなんでしょうけどね。
最後のプレゼントのための練習は、まあ、よくがんばりましたよ。その点は認めます。今まで練習とかしなさすぎだったからこそ、そう感じたかもしれませんが。
それにしても、ロンドンへ行った意味があったのでしょうか。彼女たちにとってのロンドン旅行はとても小さな小さな思い出になっただけで終わっていませんか。映画の終盤、ロンドンまで行ってきたことがまるで嘘のようです。何事もなかったかのような。
まあ、これがけいおんなのかな。
だったら、なおさら映画でやるべきことではなかったと思いますけど。