- 作者: 真鍋昌平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/23
- メディア: コミック
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あらすじ:キヌタ(妻夫木聡)はスロットで稼ぐ方法を中国人組織から教えてもらい金を作ったものの警察に見つかり、組織に借金を背負わされる。山岡金融(山岡は松雪泰子)を紹介されて借金してさらに仕事をもらうが、その仕事が死体運びだった。だいたいがヤクザの抗争で死んだ人間を運ばされる。だが、中国人の殺し屋(安藤政信)を生きたまま輸送することになり、逃がしてしまう。キヌタが殺し屋の身代わりとして輸送先のヤクザに拷問を受けることになり、、、
主人公のキヌタがヤクザと中国裏組織の抗争に巻き込まれるというか、無理やり巻き込まれて、しかも大きなミスをして抜け出せなくなるという感じですな。
妻夫木が演じるキヌタは作中ではおまけ程度でしかなく、ヤクザとか中国人たちのめちゃくちゃ濃い連中の群像劇となっています。
もう、めっちゃ面白いですよ。アクションがすごいし、笑うところも多かったです。久々に映画館で笑いました。あと、残酷なシーンもあります。
アクションが、アクションというよりも痛々しいバイオレンスです。それに、スローモーションです。スローモーションって、あまり好きではないです。そんなもんをスローで見せて何か面白かったり目新しかったりするかよ?という感じですが、今回は良いスローでした。何より笑えましたし。漫画原作ということで漫画のような絵を意識しているようで、大量の唾がほとばしります。傷がバシバシできますが、血はそれほど飛びません。うまい見せ方かな。
拷問については、直接見せられるものではないのですが、しっかりと痛みを感じさせられるのです。きっとうまいのでしょう。
注目すべきは高嶋政宏ですな。田沼組組長の息子として出てきて、狂犬と呼ばれます。まさに、狂っているので拷問しまくりでした。服を脱ぐ場面がありまして、ものすごく残念な体を見せてくれます。笑ってしまいました。
さらに、満島ひかりです。田沼組組長の妻ですが、実はすべての元凶なんですね。いやあ、好きな女優ですからねえ。今回も良い演技をしていましたよ。強がっていながらも誰も見ていないところで別の一面を見せたり。
さて、妻夫木聡が好きな方は今回の映画を観たらどう思うでしょう。目を覆うばかりの拷問を受けますよ。そして、拷問の最後には……。
セリフがですね、自堕落な主人公を矯正するような内容が多いですけど、別にそんなもん、いらなくないですかねえ。こういうセリフはウソくさいです。耳がかゆくなります。余計だと思います。邦画って、くだらない説教が多すぎませんか。あと、タイトルね。「スマグラー」だけでいいのに、「おまえの未来を運べ」なんて付け足すから、この点も残念です。
でも、この作品については、見る予定がなかったものでして、まさかこんなに楽しめてしまうとは予想外でした。某書店員からすすめられましたが、半信半疑でした。いやあ、観てみるもんですなあ。ありがとうございます。
映画館で観る映画は博打に近いです。観てみないとわからないものですから。でも、今回は当たりでした。良かったー。