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あらすじ:ユアンマクレガーは今回ゴーストライター役で、作中の氏名は不明。英国前首相アダム・ラング(ピアースブロスナン)の自叙伝をゴーストライターとして書くことになった彼は米国の島へ行きアダムラングたちと出会う。直後、ラングが戦争犯罪人として国際刑事裁判所から訴えられる。それはラング内閣で外相を務めていたランカートの暴露によるものだった。ユアンマクレガーの前任のゴーストライターが死んでいる。その死因は? 国家級の陰謀が露になる中、この事態に巻き込まれたゴーストライターの運命は?
監督は名匠とされるポランスキー。
高く評価されているということで、わざわざ大阪まで観に行きました。でもなあ、どうだろうなあ、細かいところに引っかかってしまったんですよねえ。
ゴーストライターの存在がバレるのは絶対にまずいはずです。にもかかわらず、ゴーストライターがラング邸を出るとき護衛(監視役)がつかないのです。さらに、ゴーストライターはラングと1ヶ月を共にして自叙伝を書くはずですが、その間の寝泊りはラング邸ではなく島にあるホテルなんですよ。
それって、情報漏れにつながったり、目撃者をつくってしまうことになると思うのですが。案の定、目撃者は大勢います。でも、目撃されることについて、ラングたちは何とも思っていないようでして。
ラングのもとに突如現れた謎の男ユアンマクレガーのことをマスコミが本気で調べはじめたらいつかはバレてしまうでしょうに。
あと、国家級の陰謀が渦巻きますが、ラングの謎を追うゴーストライターはgoogleからヒントを得ているんですよ。google、すごいなあ! いや、ちがうだろ! ネット上にヒントがあったらだめでしょうに。ところで、その陰謀に加担しているのが米国の某情報組織です。いつものアレですよ。
そういうところにどうしても引っかかってしまうんですよ。
そんなことを思いつつ、128分というやや長い作品でありながら気がつけばクライマックスでした。知らないうちに私は引き込まれていたようです。
引き込まれた原因はユアンマクレガーにあると思います。
名前がわからないし、ユアンマクレガーもけっこう年食ってるはずなのに年齢不詳の外見ですし。それに、何より、作中の彼はゴーストライターという職業であるにもかかわらず、ごく普通の人間なんですよ。特別の秀でた能力を発揮する場面はありません。実は文章がうまいわけでもなさそうです。推敲は得意なようですが。
けっこう身近にいそうな男だからこそ、感情移入してしまい、128分がすぐに過ぎてしまったのでしょう。
そういうところがこの作品のうまいところなのかな。
あとは、陰謀劇です。前任のゴーストライターの謎の死というところもあります。
出てくる人間すべてが怪しいですからねえ。まあ、この手のサスペンスを観ていて私は初めて真犯人を当てましたので良い気分です。根拠はなかったのですが、なんとなくこいつじゃないかなと思っていました。
ちなみに、ユアンマクレガーがラストどうなるのか、そちらもお楽しみに。すべての謎が明かされるのかどうかというところも見所ということにしておきましょう。
ユアンマクレガーは1971年生まれということで、42歳くらいですかね。