徳島ではやや遅めの公開となりました、映画「デンデラ」。雪深い姥捨て山に捨てられたババアが実は生きていて、ババアたちだけの村をつくっていた、というお話です。
浅丘ルリ子や倍賞美津子、草笛光子などの大女優がそれはそれはババアメイクを施して、狂ったように演技しまくっていました。もうね、それだけで観る価値があると思いますよ。しかも、そんな女優たちが汚いセリフを吐くわ、ションベンをやってみせるわ、それで終わるかと思いきやまさかの血しぶきを上げるわ、肉片が飛ぶわ、もう、えらいことになっていました。まさか残酷描写に溢れているとは予想していなかったのです。苦手な方は覚悟して観てください。
以下ネタバレ。
なぜ血まみれになるのかというとですね。捨てられたばあちゃんたちが自分たちを捨てた村に復讐しようとしたところ、邪魔が入るのですよ。それが熊なんです。その熊がばあちゃんたちをガンガン惨殺していきます。ばあちゃんたちもその熊に対抗するし、熊も何度もばあちゃんたちを襲うのですよ。
このあたりが、今回の映画の欠点ではないかなと思います。村への復讐しようとする大多数と復讐に反対する一部とのわだかまりを中心に話は進むのかなと思いきや、熊との戦いに終始するようになってしまいますからねえ。村への復讐が正しいのか、正しくないのか、そういうあたりから我々観客に何かを訴えてくるのかなと思いきやそうでもないのです。社会にとって邪魔なものを切り捨てる姥捨てという行為がどういうことになるのか、この作品はそういうところを訴えてくるはずなのですが、私はその訴えを、熊との対決により汲み取ることができませんでした。
ところで、作中で熊の血を大量に飲む場面がありますけど、血液を飲んだら胃で凝固してしまうと思うのですが。真似したらだめなんじゃないかな。
結論としては、雪山で繰り広げられる壮絶な演技をご堪能ください、ということです。
以上です。