やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「プリンセストヨトミ」を観てきた(完全なネタバレ)

 予告を観るかぎり、かなりだめなにおいがしていました。DVDレンタル開始されても借りることはないだろうと思っていたし、テレビでやってても観ないようなものです。でも、5月の連休に島根へ行ったときこの映画を観ることを約束しないと徳島には帰さないと脅されたので泣く泣く観ました。
 おっさんが大きな声でしゃべり続けるわ、後ろのほうで携帯電話パカパカする音が聴こえてくるわ、おばちゃんがビニル袋をくしゃくしゃし続けるわ、サイテーの環境で観てきました。あのね、やっぱりクソ映画でした。今年観た映画のワースト争いに加わるほどです。
 予告をご覧になった方々はこの映画がどういうものなのか頭を傾げたことと思います。まあ、ここでがっつりとネタバレをしますよ。
*以下ネタバレ。
 大坂夏の陣で豊臣家は根絶やしにされたはずだったけど実は現代においても子孫がいた。大阪の人々はそのことを知っていて、みんなでその子孫をかくまっている。歴史の裏で、明治政府に大阪国を認めさせていて、今でも大阪城の地下に大阪国の議事堂がある。日本政府は大阪国に毎年5億円を支援、今回の映画ではその5億円の使途が東京から来た会計検査院の3名によって暴かれるというお話。
 それで、この映画にはおかしい部分がいっぱいあるわけです。
 少年と少女が出てくるのですが、少年が性同一性障害のようです。学校に女子生徒と同じセーラー服を着て行くのですが、それが原因でヤクザの子供にいじめられます。そんな少年を少女が助けます。で、性同一性障害はこの映画とどういう関係があったの??? まず、これがわからない。
 次に。理由あって少年がヤクザの事務所へ行って大門を奪い投げ捨てました。この前後も場面のつなぎ方がものすごくおかしいんですけど、それはまあいいや。その少年を助けに行ったのか何なのかよくわからんけど少女も事務所へ殴りこみに来たんですよ。その少女を会計検査院から来た綾瀬はるかが止めます。タクシーに連れこんでホテルに閉じ込めるのですが、閉じ込めた時点で何が何やらなのですが、このあたりも何の意味があるの???
 次に。日本政府が大阪国に毎年払っている5億円について。会計検査院堤真一は「大阪国に5億円払っていることを大阪以外の日本国民が納得しないだろう」と言いました。私も映画観ながら「日本国民が納得しねえだろ」と思ってましたよドヤッ。でも、この堤真一の問いに大阪側が答えないんですよ。いや、答えたというか、父と子の関係がどうのこうのと言って、堤真一がなぜか納得してしまうんです。そんなことで納得しねえよ!!!
 そもそも、もはやこの現代において大阪国が存在する理由がわからないです。大阪国である必要はないし、豊臣家の血筋が絶えていないことがバレても全然かまわないじゃないですか。今さらバレても「ふうん、そうなんだ。びっくりだねー」で済みますってば。
 次に。堤真一と大阪国代表が大阪府庁で対決します。その大阪府庁の周辺に大阪市民が大挙して押し寄せます。映画予告で大阪から人々が消えて機能が停止したというのがあったでしょう。あれは、大阪市民が大阪府庁に集まったからなんです。綾瀬はるかが市民の消えた心斎橋〜なんば〜堺筋を駆け回る場面がありますけど、ここで重要なのは府庁に集まったのは男性のみなんです。大阪国のしきたりで、女性は家に残らなければならないみたいです。じゃあ、どうして女性の姿がまったくないの???さらに、ラストでは大阪の機能が停止したことは別の原因でしたということになるのですが、大阪には全国から仕事で来た人、遊びに来た人が大勢いるはずで、その人たちにバレるでしょ。その人たちの姿もないんだから、この映画はおかしすぎます。綾瀬はるかが人々の消えた大阪を回る場面も、大阪城が近くに見えるところから心斎橋まで歩いていくのは少し遠いのではないかなと思います。
 大阪では父から子へ、大阪国の秘密が受け継がれてきたそうです。この映画では父と子の関係もテーマのひとつのようです。だから何ですか。この映画の言いたいことがわかりません。
 次に。富士山の十字架には何の意味があったの???
 次に。大阪城を建てたのはだれでしょう。大工! ちがいます、徳川家光です。現在の大阪城の姿は徳川が建てたものです。って、言ってるのにどうして徳川の建てた大阪城が赤く光ってるんですか。おかしいですよね。光るなら豊臣の建てた大阪城でしょう。
 次に。35年前の大阪に何があったんだよ!!!
 次に。役者の演技についてですが、大阪が舞台なので地元の人々は大阪弁をしゃべっているわけで、その大阪弁がね、イントネーションとかおかしいのです。関西出身ではない演者が無理やり大阪弁をしゃべっているような感じで違和感ビンビンでした。関西の人々はこの映画の大阪弁についてどう思うのでしょうか。
 次に。大阪府庁での対決について。大阪代表の人はずっと大阪弁だったのに、どうして対決のときだけ標準語になったのですか。
 次に。スタッフロールについて。京都でも撮影されたようですが、全部大阪で撮影しろよ。もちろん、大坂夏の陣の場面はしかたないです。
 あとは、南海なんば駅について。どうして南海なんば駅だったのか。阪神梅田でも阪急梅田でも上本町でも良かったんじゃないですかね。そこで、阪急梅田にしたとしたら今度は「どうして阪急梅田駅だったのか」と言うと思いますが。私にとっての南海なんば駅は懐かしいんですよ。20代後半以上の徳島県民にとって南海なんば駅は懐かしい場所ではないでしょうか。
 それにしても、製作に亀山千広がかかわっていたのですね。こりゃまいった。やられたね! そもそも、この映画には原作があるんですね。誰か読んでくれ! そして、解説してくれ!
 さて、良いところもありました。綾瀬はるかのおっぱいです。揺れていました。
 以上です。