- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: DVD
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最初に言っておくと、めっちゃ楽しめました。悲しい映画をたくさん観ていたところだったので、安心して観ることができました。主人公バートが、周りに迷惑をかけつつもそんなにひどい迷惑ではないし生きていたらこれくらいはしかたないという程度のもので、数々の困難に直面するのですが、それをすべて自分の力でどうにかしています。助けを求めるのですが、いつの間にやら彼自身の力で解決していました。そのたびにグスンと泣いてしまいましたよ。悲しくて泣いたのじゃなくて、うれしくて泣きました。
内容を知らずに観たのです。主演がだれなのかも知りませんでした。だからインディアン(ネイティブアメリカン)が主役のサクセスストーリーなのかなと思っていたら、インディアンという名のバイクだったのですね。
それにしても、バートはいい人ばかりと出会うのです。お隣さんの夫妻は文句言いつつ嫌な顔しつつ応援してくれるんです。それで泣いてしまいましたけど、とにかく出てくる人がいい人ばかりなんですよ。モーテルのオカマ、車屋のメキシコ人、若いツーリングクラブ、ボンヌヴィルで出会った人々などなど。基本的に困ってるときにそれらの人々と出会うのですが、みんながちゃんと助けてくれるんですよねえ。感動しっぱなしでした。そうなると、逆にタクシーの運転手が悪い人に見えてしまったりしますけど。
ただ、逆に言うとね、話がうまくいきすぎてるんです。たとえば、バイクを船に積むとき積み方がおかしかったから、伏線として後でバイクが壊れたりするんだろうなと思いきやそうでもなかったり。バイクの牽引車が故障したのを直そうと、老女の家を訪ねるのですが、老女がすぐに出てこなくて、あ、この老女は悪い人なんだなと思いきやすんなり助けてくれたり。ここがちょっと引っかかるかな。困難があって、ドキドキさせられるんですが、さっきまでのドキドキはいったい何だったのだろうってなります。この点に関しては、バート自身が困難を自分でどうにか解決した(バートが周りの人の心を強くつかむような人間なのかな)からこそ、そうなってしまうのかな、とも思いますが。
助けてくれた人に対するお礼も少し気になるところです。たとえば、モーテルのオカマがコレクトコールでもいいから電話を寄こせと言ってるのに電話をかけなかったです。出場を断られたときもそうなのですが、出場させてもらえるように説得してくれたレーサーがいます。そのレーサーとの絡みが出場できることになったあとで全然ないのもちょっとねえ。この点に関しては、バートという人が速すぎてだれもついてこれず皆を置いてけぼりにしてしまったからこそ、なのかなとも思いますが。
文句ばかり言ってる私ですが、本当にだめだと思った点を挙げておきますと、世界最速を目指しているのですが、何キロを出したらそれが世界最速になるのか観ている観客の私にはわからなかったのです。映画の中の人たちが「やったぞ!!!」と騒いだ瞬間、ああ、今世界最速を記録したんだなということがわかりました。ここが良くない点です。バートが走る前に「サンダーバードは600キロ出した」とか言うんですよ。だからそれ以上出せばいいんだなと思いきやそうじゃないんです。もう少し説明してほしかった点です。
もうひとつ、ロスからユタまで、いくらなんでも時間かかりすぎじゃね?
文句を垂れまくりましたが、この映画、好きです! だって、なんだかんだでみんながいい人ばかりだもん。