やくもとうずしおをがっつりと

ほぼ毎日19時更新。「映画鑑賞感想」は配信やDVDなど自宅で見た映画、『映画「タイトル」感想』は映画館で観た映画の感想です。稀に旅日記をやっています。

映画「フッド ザ・ビギニング」鑑賞感想

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2019年10月日本公開

監督:オットー・バサースト

脚本:ベン・チャンドラー、デビッド・ジェームズ・ケリー

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あらすじ:十字軍に徴兵されたロビンは行き過ぎた上司に対する反逆行為によりイングランドへ戻ることになった。もともと領主だったロビンの治めていたノッティンガムは州長官に没収されていた。その長官は十字軍支援と称して重税を課していたが、もはや税金を通り越して財産没収といえるほどの暴虐となっていた。ロビンは遠征していた先で出会ったジョンと協力して州長官から領地と住民を救うため行動を起こす。

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 十字軍ですか。そんなに昔の話なんですか、ロビンフッドは。それもそうですね。まだ銃のない時代ですもんね。ロビンが参加した十字軍は第3回だそうです。十字軍ってやつはめちゃくちゃ何回もやってまして、そりゃあもう終盤になると略奪行為も流行っていたようですし、十字軍を招集した教皇の権威が堕ちていくきっかけになったやつらしいですよ。

 第3回十字軍ということで、1189年から1192年の間だそうです。鎌倉幕府ができたころですね。その十字軍では、上官が捕らえた敵兵をひどい方法で次から次へと処刑していたものですから、ロビンは頭にカチンときたようです。その上官に反逆行為をしてしまって、イングランドに戻ることになりました。ところが、ロビンのノッティンガムは州長官による重税でめちゃくちゃです。ロビンの屋敷も荒廃しています。そしたら、そのノッティンガムでロビンは出会うわけですよ。処刑されそうになっていたところをロビンが助けたアラビアの兵士とばったりノッティンガムで。そしたら、そのアラビア兵士と協力して、ロビンは頭巾をかぶり、ロビンフッドになって州長官からお金を盗むようになるわけです。一方で、ロビンは領主として州長官に近づき、仲良くなっていくわけです。

 ここまでで、いろいろなんで?となるところがありました。まず、アラビア兵士はなぜノッティンガムに来たんですかという話です。次に、ロビンが頭巾をかぶったのはいいとして、領主の地位をはく奪されて領地もなくしたロビンがなぜ州長官に近づくことができたんですかという話です。ロビンは州長官に多額の寄付金を差し上げました。その金はどこから持ってきたんですか、財産はすべて失ったロビンに支払う能力はないはずなのに、そこに疑問をまったく持たずに寄付金を嬉しがって受け取った州長官はアホですか。この州長官はてっきりそういう疑問を内心で感じていて怪しいなあと思いながらロビンと仲良くなった、そのあとロビンの正体を探る、、、という流れにならないんですよー。州長官はロビンを疑いませんでした。

 一事が万事これですから。

 顔を大勢に見られているはずのアラビア兵士さんもそうです。領主として州長官と会っているときにアラビアさんもいっしょにいたのですが、ロビンフッドのときにアラビアさんは顔出しの状態で同行しています。気づけよー、州長官の衛兵さんとかその他諸々の皆さんはそこで気づけよー。「あれ? このアラビア人、領主のロビンといっしょにおる人とちゃいますか?」って思うはずでしょう。思わないんだな、これが。

 ずっとこんな感じですし。

 それに、舞台の鉱山もまるで現代の廃工場ですよ。鉄筋コンクリートの太い柱に支えられた近代的な工場の中でアクションが繰り広げられますよ。

 タロンエガートンだからって何でもええよというふうにはいきません。

映画「ヘルボーイ」鑑賞感想

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2019年9月日本公開

監督:ニール・マーシャル

脚本:アンドリュー・コスビー

音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ

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あらすじ:悪魔となってしまった同僚をやむをえず殺害したヘルボーイは、人類の終焉を示す預言を聞く。人類を滅ぼそうとする魔女が復活を目指しており、その魔女の復活につながるとされているヘルボーイを殺そうとする組織も暗躍する中で、果たしてヘルボーイは人類を救うことができるのか。

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 ダイミョウて。

 日本人ではないアジア人が演じているダイミョウというキャラは、きっと中国にダイミョウという何か言葉があるんでしょうね。きっとそっちから名前を取っているのでしょうね。

 というわけで、リブートのヘルボーイをようやく鑑賞することができました。

 ギレルモさんじゃない監督ということで、どうなるのかなと思いましたけど、けっこう良い感じじゃないですか。正直なところギレルモさんの世界を私はあまり好かないんです。ギレルモ版ヘルボーイのビジュアルも、なんかすごいっすねっていう程度だったので、今作のビジュアル、世界の感じ、良い感じじゃないですか。簡単に受け入れちゃいます。

 今作は、ギレルモ版の続編なのかなという感じで、ヘルボーイを見てるおまえらはこれくらいのこと知ってるよねっていうぐあいの物語の進め方でした。原作とか知らない私としては、ん? そこはどういうことですかとなる場面がありました。

 でも、そんな感じでガシガシ物語を進めてもらっても大丈夫ですね。いけちゃいますね。

 ミラ・ジョボビッチがきわどいかっこうをなさっています。見えそうで見えません。不死身のミラ・ジョボビッチなんですが、今作の前に出演していた映画でも不死身だったような気がします。そんなミラジョボビッチ、ヨボビッチと発音してほしいらしいですが、それよりも今作のババ・ヤンガのほうがもっときわどいかっこうをしています。胸元が見えそうで見えないのですが、絶対に見たくないやつです。ババ・ヤンガのところだけはR-21指定でもいいんじゃないかと思います。

 霊媒師の女の子が、エンディングでめっちゃかっこよくなりました。私的に最高です。あの戦い方、最高じゃないですか。

 それにしてもね、ヘルボーイがまさかの! あの御方の血筋だったとはね。びっくりですね。原作だとそのあたりには触れているのでしょうか。

 作中では、西暦517年のイングランドアーサー王は魔女の陰謀を防いでいたというのです。あら! すごい! アーサー王ブリトン人を率いていて、サクソン人によるイングランド侵攻を防いだらしいですよ。実在したのかどうかについては、9世紀のラテン語テキストに名前が出てくるそうなのでおそらく実在したのでしょう。

 その西暦517年について、作中中盤からやたらと5世紀というのですが、6世紀の間違いなのではありませんかね。それはさておき、ブリトン人というのは前ローマ時代からグレートブリテン島に土着していた人々だそうで、その後サクソン人がアーサー王の活躍もむなしくイングランドの支配権を得るということです。9世紀からあとのイングランドはサクソン人中心の社会となっていくようです。

 イングランドスコットランドウェールズ北アイルランド……グレートブリテン及び北アイルランド連合王国はいまいちよくわからん国でございます。ウェールズなんてもはや空気でしょ。

 そんなイングランドで大暴れのヘルボーイでした。トレインスポッティングでもありましたけど、広大な荒野が今作でも出てきます。これって、どこなんですかね。スコットランドらしいのですが。あの荒野が気になります。あと、今作は音楽がとてもノリノリです。

 最後に、エンドロールが終わって劇場が明るくなるまで席を立たないでください。

2019年目標達成の詳細報告

 2019年も残すところあとわずかとなりました。

 今年は外食1000軒行くぞー!というアホみたいな企画をやっていました。その目標は達成しましたよというお知らせはすでにこちらのブログでやらせていただいたところです。今回はその詳細をお知らせします。

内訳(12月22日現在)

ラーメン:285

スイーツ:113

うどん:91

パン:96

カレー:30

ハンバーガー:15

ピザ:15

お好み焼き:18

とんかつ:8

そば:6

焼鳥:8

焼肉:13

総計:1054

うち初めて行った店:505軒

 総計と合いませんが、その他ということです。定食とか。あと、スイーツが異常に多いですが、これは今年1月2月3月ごろに京都でスイーツを食べ漁っていたからです。ラーメンが多いのはいつものことです。

 1054軒の中で今年初めて行った店は505軒でした。半分を満たすことはできませんでしたが、だいぶがんばったのではありませんか。

 あと、1000軒に到達したあとさらに1054軒まで伸ばしたことで裏目標も達成しました。徳島県で初めて行った店が1004軒ということで1000軒を超えました。

 軒数をクリアするために、行きたくない店にたくさん行きましたよ。食べログ百名店のスイーツ100軒をクリアするために食べたくもない餡子を食べて吐きましたよ。こんなことをやっていていいのか! お叱りはごもっとも! ひどい!

 来年はこんなことはやりません。食べたくもないものを食べるなんて、世間の皆様に顔向けできませんから来年はやりません。正直なところ、やらされてきたことではありますので、きっぱり断ります。吐き出すくらいなら最初からやるなよというお叱りを受けるのは私ですので、拒否します。

 高くてまずい店も経験しました。そういうのって本当にあるんですねえ。基本的に、徳島県内でマジうまいという店はほぼなかったのはつらかったです。京阪神に行くとうまい店はいっぱいありますけどねえ。

 うまいもんしか食いたくない!

 ではまた。

書籍「心霊ドキュメンタリー読本」読書感想

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心霊ドキュメンタリー読本

2016年5月26日初版発行

著者:小池壮彦

発行:洋泉社

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 今回は本を紹介します。表紙写真がコケててごめんなさい。毎度のことですが、直す方法がいまだにわかりません。

 とある本を探してブックオフをうろうろしておりましたら、こちらの背表紙を発見しました。「まさか、ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズの解説とかやっちゃってる本ですかねということで迷わず購入です。ブックオフながらほぼ定価でした。定価1400円なのに対して税込982円です。

 実際のところはほん呪の解説はわずかでして、心霊ドキュメンタリーと呼ばれる映像作品全体を解説している内容です。

 ほんとにあった!呪いのビデオが好きでして、ずっと追いかけています。「おわかりいただけただろうか」というナレーションは皆さんもどこかで耳にしたことがあるでしょう。2019年11月27日に85巻が出ました。記念すべき第1巻は1999年に出ています。そんなほん呪シリーズで紹介される、視聴者から送られてきた映像は巻数を重ねるごとに派手さを増しています。最初のうちは「おわかりいただけただろうか」と言われても、え? ちょっとわかりません。という映像が多かったのですが、声を出してびっくりするものが出始めました。監督が川居尚美さんになってからはたいへんおとなしくなりました。原点回帰ですか?と思っていました。この川居尚美さんは44巻から演出補として携わっていますのでおそらくほん呪シリーズ最長のスタッフです。

 心霊ドキュメンタリーとは何ですか。ほん呪みたいな、ホンモノの心霊映像ですよーみたいな感じで作られた映像作品のことです。……という理解でよろしいでしょうか。

 とにかく、この本がほん呪シリーズの変遷を解説してくれたのかなと思って読んでみたらそうではなかったです。でも、めちゃくちゃ面白いので簡単に紹介します。

 著者の小池さんは怪談などの歴史を中心に研究なさっている方のようです。本作によるとどうやら映像作品の製作にも係っているようです。

 第1章のうちのはじめに「ほんとにあった!呪いのビデオ」について触れています。略してほん呪が心霊ドキュメンタリーの業界を席巻することになりました。当時話題になったことやほん呪1作目にこれまでの流れの基本があることを本書では記しています。ほん呪については見開き1ページで語ったあと、そこからはほん呪に出てくる幽霊のイメージに係わる過去の作品の解説がずらずらと続きます。心霊ドキュメンタリーが誕生する歴史が本書の大部分を占めています。

 歴史を知ることは本当に大切なことなんだなと思うわけです。本書を読むことで、心霊ドキュメンタリーが突然出現したわけではなく、その基礎となる作品が過去にあったことを本書が紹介してくれています。何事も歴史なのです。

 これらの心霊ドキュメンタリーというものは、日本だけではなくて、1970年のアメリカでもあったというあたりは面白い内容です。それらがタイトルを変えて日本に輸入されていたり。日本の映像作品に影響を与えていたりするわけです。海外の映像作品が数多く紹介されているので、見たくなってしまいます。

 面白いのは、鶴屋南北が心霊ドキュメンタリーの先駆けだという部分です。そんなところから心霊ドキュメンタリーの歴史は始まっていたのだということです。

 あと、海からのびる無数の手……ですね。こういう映像は心霊ドキュメンタリーで十八番かなというくらいありますよね。1968年の怪奇大作戦ですでにそういうのがあったそうです。はぇーってなりました。

 直近の心霊ドキュメンタリーではそのような映像がありますけども、過去の映像作品の焼き直しともいえるわけです。繰り返しますが、歴史があったということです。

 このような歴史があって、今日の心霊ドキュメンタリーが存在するのですということですが、本書ではもうひとつやたらと言及していることがあります。それはこれらの映像作品をまとめて心霊ドキュメンタリーと呼んでもいいのかどうかということです。フェイクドキュメンタリーというべきなのか、それともとりあえず心霊ドキュメンタリーと呼び続けるのかどうか。そのあたりが白石晃士監督の「コワすぎ!」という作品がフェイクだよとはっきり言った状態で世に出たことで、心霊ドキュメンタリーを心霊ドキュメンタリーだと呼んでもいいのかどうかを著者がものすごく悩んでいます。これって、どうなんでしょうか。ちなみに、本書の最後に白石監督と著者の対談が載っていますので必読です。

 さて、私も心霊ドキュメンタリーの映像作品を紹介したいなあと思います。まずは、「監死カメラ」シリーズです。これは先輩から紹介されたのですが、めちゃくちゃ面白いです。なにしろパソコンの幽霊が出てきますからね。さすが八百万の神がいる日本ですなあ。あと、菅野くんというすばらしいキャラが登場しますのでぜひご覧ください。

 もうひとつ紹介したいのは、岩澤宏樹監督作品です。岩澤さんといえばほん呪シリーズの名物監督ですね。その岩澤さんが監督として製作したものが「心霊玉手匣」シリーズです。ほん呪では演出補に冷たく接したり厳しいことを言ったりしていたのですが、心霊玉手匣シリーズではやさしいです。そのかわりめちゃくちゃ厳しいキャラがいます。とにかくこの玉手匣シリーズでは、スタッフのキャラクター性ともうひとりレギュラーで登場する女子高生のキャラクター性が秀逸です。そして、このシリーズは最後に驚愕の結末を迎えます。ぜひご覧ください。

 心霊ドキュメンタリーにも歴史はある! ではまた。

映画「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(吹替3DMX4D)鑑賞感想(少しネタバレ)

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2019年12月公開

監督:J・J・エイブラムス

脚本:J・J・エイブラムス、クリス・テリオ

音楽:ジョン・ウイリアム

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あらすじ:スカイウォーカー家の物語が終わる。カイロとレイの関係はどうなるのか。忠実なドロイド、優秀な将軍たち、名も無きレジスタンスたち、彼らの努力は結実するのか。

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 1977年に始まったスターウォーズは42年かけて終幕となるようです。スターウォーズに思い入れはありません! ありません! 一番最初のスターウォーズ3作のときは生まれていません、っていうのは言い訳です。だけど、宇宙を駆けずりまわる楽しいスペースオペラでございます。こういうのが見たいんだよねっ! 家系とか、帝国とか、共和国とか、反乱軍とか、戦闘機とか、宇宙戦艦とか、巨大な宇宙要塞とか、そういうのが出てくるから最高じゃないですか。多くのキャラが出てきていろんな星に行ったり来たりで、お祭りです。ところで、ルーカスフィルムのプロデューサーが「スカイウォーカーの物語はまだ続くかもしれない」みたいなことを言っているらしいですよ。

 1978年に子門真人スターウォーズのテーマ曲に、あのテーマ曲に歌詞をつけて歌ったことを皆さんは御存じですか。定期的に話題に上がっているようですね。初めて歌の存在を知ったときは「嘘でしょ」ってなりましたけど、あの子門さんの声でかっこよく歌っているのを聴いていると、「うーん、ちょっと笑う」でした。なにしろ、ダースべーだーを滅ぼすぞって言ってますからね。ライトセイバーを振り回しますからね。笑わずにいられますか。

 では、夜明けのお話に触れていきます。

 何よりレイの出生の秘密が明かされて「はい?」となりました。レイはパルパティーンの娘らしいんですよ。それがカイロのセリフのみで説明されるのでなおさら「どういうことですか? 本当ですか?」となりました。だけど、最終的に、姓を問われたレイはスカイウォーカーと名乗るのでした。出生なんてどうでもいいよね、どうやって生きてきたのか、今はどうなのかってことなんでしょうね、きっと。カイロのほうはスカイウォーカーの血を引いていますけど、そのカイロが死んじゃうのでスカイウォーカー家の血は途絶えました。その血を絶やしてしまって本当に良かったのでしょうか。血は血ということで、継いでいく必要があったのではないかと私は思います。DNAは残さないといけないでしょ。ただし、レイはスカイウォーカーの血を受け継いでいないけどフォースを使いこなすことはできますので新たなスカイウォーカーがレイから始まるのかもしれません。

 カイロ、死ぬんかーい!! 死んじゃったレイをフォースで救ったことにより死んだ感じなんです。カイロはねえ、大きな罪を背負ってしまいましたから、死んで償ったのでしょうかね。それにしても、レイのほうが生き返ったとはいえ、死ぬような状況ではなかったと思いますけどね。シスと激しく戦って、なんかちょっと疲れたなあという感じで死にましたけど、そんなことで死ぬわけないじゃないですか。

 本当に、スターウォーズは次から次へと人物を死なせますよね。それ以上に、次から次へと星を消していますよね。何億が死んでいったのでしょうかね。星は宇宙の貴重な土地であり資源なのだから、そんなに簡単に消したらダメでしょう。こういうところは植民地を経営した英仏と、植民地から収奪したスペインポルトガルの違いで帝国はスペインポルトガルみたいな末路をたどるんじゃないかなあと思うわけです。

 フォースの覚醒においてはヨーダがルークの前に現れて道を示してくれたけど、今作夜明けではレイとカイロのところにヨーダとかオビワンとか師匠が現れてくれなかったのは残念です。

 死んじゃったカイロが心変わりしてレイを助けてシスを倒すのですが、今作のみ見ていると「え、いつ心変わりしたの」となります。前作ではカイロが気持ちを変えそうな雰囲気がありましたけど、それを見ておかないと今作のレイの心変わりが意味わかりません。

 そのカイロがかぶっていたヘルメットですが、何やら特製のようです。ヘルメットをせっせと作る場面がありました。カイロの部下がヘルメットについて「お似合いです」と言ったら宇宙戦艦ヤマトデスラーが幹部を処刑するみたいなことをカイロがやっちゃったのでヘルメットについてはカイロに感想を聞かれても下手に褒めることすらできないようでした。ひどくないですか、カイロのほうから部下に感想を聞いたのに、そして褒めたのに、殺すなんて。ひどいわー。それで、その後ヘルメットについて触れられる場面がいっさいなくて、何だったのでしょうか。

 今作は今作で、行った先の星で新しいキャラが登場しますし、それらがポーの過去と関係していたり、フィンと同じ境遇だったりするわけですけど、今更そんなもん出されても困ります。ポーの過去に関係があったらしいヘルメット女はヘルメットはずして顔全体を見せてくださいよ。見せずじまいじゃないですか。

 シスの大艦隊の場所を示す三角錐について、カイロがそれを破壊しました。そのあとなぜかもうひとつ出現しました。そういうことはやめてほしいですね。実はふたつありましたとかやめてほしいですね。三角錐が破壊されたのなら、大艦隊の場所を探す別の方法を探したらいいのではありませんか。

 それと、C3POの記憶がすべて消えました。消えたというか、やむをえずすべて消してしまうのですが、そのあと記憶の一部が回復します。そもそもC3POのデータを消すことこそがもうやれやれですよ。バックアップとか取っておけばいいのにと思います。

 シスの大艦隊が存在していまして、それがどうやって生み出されたのかわかりませんけど、今作の目標はこの大艦隊をつぶすことにありました。それで、レジスタンスが大艦隊のいるところへ突入しますけど、真正面からいきなりの突入です。そもそも、大艦隊がやすやすとレジスタンスの突入を許すあたりもダメですね。大艦隊のセキュリティが甘すぎます。さらには、旗艦がすぐにわかってしまうあたりもダメですね。なぜ旗艦が知られてしまったのでしょうかね。わかりませんけど。しかも、その旗艦がレジスタンスの侵入を簡単に許すのでした。防衛が甘すぎますね。スターデストロイヤーの急所もバレバレですし。大艦隊はレジスタンスに「どうぞ、撃沈してください」と言っているようなものです。

 スターウォーズは一事が万事、こんな感じじゃないですか。エピソード4とか5とか6とかのときにあった燃える戦闘などなどがありませんから、そういう良いところがありませんから、楽しくない! 今作の戦闘シーンもつまんない! シスの大艦隊を倒すために宇宙のあらゆるところから大勢集まってくる場面がありましたけどエンドゲームぽくて熱かったです。それくらいしかありません。その大勢集まったときに、星ごと消されたはずのポーの過去に関係があったヘルメット女が登場しますけど、どうして生きてたんですか。

 スターウォーズファンはスカイウォーカーの夜明けに納得しているのでしょうか。

 どうせ、20年後にまたリメイクするでしょうし、そちらに期待しましょうかね。

神社は国鉄・寺は私鉄説

 これは!

 すごいことに気づいたかもしれません。

 タイトルのとおりなんですが、神社の最寄駅は国鉄(現在のJR)であり寺の最寄駅は私鉄というお話です。

 まさかと思いましたよ。明治神宮成田山でふと思いました。

 国鉄は明治時代の政府が懸命に作った鉄道であり、私鉄は民間による鉄道です。

 明治政府は神道を国の宗教としたわけです。国家神道です。さらに、明治政府は廃仏毀釈を行いました。

 市民の信じる仏教は廃仏毀釈から逃れたものもありまして、そこで私は思ったのですが、そんな市民が「寺に参拝したい! 政府に負けてなるものか!」と願って私鉄を寺の近くまで建設したのではないかというわけです。政府側は国家神道だから「国民に神社を参拝してほしいなあ」と願って国鉄を神社の近くまで建設したのではないかというわけです。

 そこで、神社と寺の鉄道最寄駅をざぁーと調べてみました。

<神社に近い鉄道>

明治神宮国鉄原宿駅

伊勢神宮国鉄参宮線近鉄もあるけど国鉄側は路線名がそもそも参宮なので伊勢神宮国鉄。)

出雲大社国鉄大社線一畑電車一畑寺に行くための電車でしょ。)

太宰府天満宮西鉄太宰府線(うーん、こういうこともある。)

鹿島神宮国鉄鹿島線鹿島神宮駅(これに気づいたときは「いよいよだな」と思いました。わざわざこんな場所に鉄道を通すなんて意図的とかそんなレベルを超えていると思いました。ところが鹿島線鹿島神宮駅の開業が1970年なんですよ。けっこう最近なので困りました。路線建設の目的は鹿島に工業地帯を作るためだったのでついででしかありません。)

宇佐八幡、宮崎神宮霧島神宮国鉄日豊線(そもそも国鉄しかないし、日豊線を作ってみたらたまたま最寄となっただけかな。)

金比羅宮:国鉄琴電(最も多いときは鉄道会社が4社ありました。ここはおかしいです。)

厳島国鉄広島電鉄国鉄がわざわざ船まで出していますから国鉄ですね。)

熊野、那智国鉄

橿原神宮近鉄

福岡天神:西鉄

長岡天神:阪急

多賀大社近江鉄道

豊川稲荷名鉄国鉄

石清水八幡宮:京阪(源氏など武士の神社なのでなんとも言い難い)

鶴岡八幡宮国鉄江ノ電(石清水と同じくなんとも言い難い)

東照宮国鉄東武のほうが近い(徳川なので明治政府からすれば消し去りたいやつなのでは? ここちらは寺ですか、神社ですか。)

多賀城神社:国鉄

熱田神宮国鉄名鉄のほうが近い

(平安神宮近江神宮はつい最近できた神社なんですね。)

<寺に近い鉄道>

中山寺:阪急のほうが近い

高野山:南海

鞍馬寺叡山電鉄

比叡山叡山電鉄、京阪

石山寺:京阪

寺だらけの奈良:ほぼ近鉄(とはいえ朝廷が建てたものだったりするのでなんとも言い難い)

平等院などの宇治:京阪がわざわざ宇治線を作った

京都:叡山電鉄、京阪、京福電鉄、阪急

善光寺長野電鉄

成田山新勝寺:京成

新井大師:東武

川崎大師:京急

永平寺京福電鉄(現在のえちぜん鉄道

浅草寺東武

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 このようにですね、神社はほぼ国鉄ですよね。寺はほぼ私鉄ですよね。すみません、かなり苦しい説となってしまいました。そもそも鎌倉時代より古い神社仏閣は朝廷側が建てた仏閣もありますし、高野山比叡山は国策も絡んでおりますし、武士の神社もありますし、やはり神宮と名のつく神社に国鉄が最寄となっているかどうかが重要なのではありませんかね。苦しい! 苦しい言い訳だ! もう少し苦しいことを申しますけども、天神は菅原道真を祀っていまして、平安時代の京都から追い出された菅原道真ということは反体制側と言えなくもないですよね。太宰府や福岡や長岡天神は私鉄なのですから、そこは私の説が当たっていると言えなくもない!

 とにかくですね、こんな闇の深いことに気づいてしまいましたので、私は政府に消されてしまうのではないかと思うわけでして、1ヶ月以上更新が途絶えたら「あいつはとうとう……」というふうに思ってもらってかまいません。

 ではまた!

映画「カツベン!」鑑賞感想

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2019年12月公開

脚本:片島章三
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あらすじ:関東大震災の後、偽の活動弁士となってヤクザに手を貸してしまった俊太郎はある日どさくさに紛れて逃げた。その先で人手不足の活動写真上映小屋で働きながら住み込むことになった。しかし、ヤクザの手はすでに小屋に伸びていた。
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 無声映画で私の観たことがあるものは、月世界旅行カリガリ博士メトロポリスだけです。それらを除くもので見たことがある最も古い作品は、その後に製作された西部戦線異状なしです。トーキー映画なので現在の映画と同じものですね。西部戦線異状なしは面白いのでぜひご覧ください。メトロポリスが1927年で、米国でアカデミー賞の初回は1929年5月となっています。ただし、アカデミー賞初回の対象は1927年から1928年7月31日までに公開されたものとなっています。
 ということは、この映画の舞台となっているのは作中で「関東大震災から逃げてきた」というセリフがあったので1923年9月以降ということになりますね。トーキー映画の登場が近い時期です。
 活動弁士というものは、日本独特だったようです。もともと落語などの文化があったために定着したのでしょうか。活動弁士はやがて声優の誕生へつながっていくことになる……と聞くと、おお、すごいなあと思います。日本の誇る文化の礎となっていたのです。
 というわけで、無声映画の歴史で大切な部分を描いた本作ですが、作中では日本の無声映画史上で名作とされるものを作った監督による活動弁士批判とも取れるセリフもありました。そのあたりは、活動弁士すごいという一方的な主張だけではありません。正直な作品なので、周防監督のバランスの良さかもしれません。
 ただしですね、本作全体が当時の活動写真の作りをそのままなぞったような仕上がりになっているのではないかと思うわけです。脚本と演出がおかしい、場面のつながりがおかしい、そういう部分がちらほらあるのです。
 さらわれた女の子を救い出した俊太郎が青木館へ急いで向かう途中に、ちがう場面がはさまれたり、なかなか青木館へ向かわなかったり、だらだらしているように感じられました。イライラしました。急がないといけないのはわかっているのに、なんでこんなダラダラしているのか、イライラしました。
 そもそも、さらわれた女の子を部屋から出した場面なんですけどね。俊太郎は部屋のドアを破ろうとする前に別の女性にキスされてしまいます。防ぎようのないキスでした。キスマークがついたのですが、それを見た救われた女の子が怒って平手打ちです。はあ? なんでいきなり平手打ちですか。どうしようもなくついたキスマークなのに、何の弁明も聞かずにいきなり平手打ちって、この女頭おかしいんじゃねえの。自分を助けてくれた相手を叩くなんて、許せません。だめです。許しがたい。この平手打ちで私の怒りが抑えきれず、その後は本当にイライラしっぱなしでした。
 暴力反対!